注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

建物を美しく老化させるには水のコントロールが鍵

竣工時はとてもきれいな建物だったにもかかわらず自然環境にさらされることで汚れたり傷んだりして美観は失われ、住まいの寿命を短くするケースも多くみられます。建物を美しく老化させるには何が大切なのか考えてみましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

美しく老化させるには何が大切?

自分で自分の家の間取りをイメージする、設計士がどんな間取りを我々家族に提案してくれるか? 想像するだけでもワクワクします。竣工した建物はその場所に何十年と変わることなく存在し、時には街のランドマークになるかも知れません。

しかし竣工時はとてもきれいな建物だったにもかかわらず自然環境にさらされることで汚れたり傷んだりして美観は失われ、住まいの寿命を短くするケースも多くみられます。建物を美しく老化させるには何が大切なのか考えてみましょう。


4つの寿命が必要

これまでの家づくりはどちらかといえば耐久性や耐震性に重きがおかれていました。近年になって生活の変化に対応した柔軟な間取りの考え方や、さらには長持ちさせる視点も取り入れられるようになってきました。建物には次の4つの寿命が必要なのです。

1. 物理的寿命・・・耐久性や災害に強い家

2. 心理的寿命・・・経年美を感じさせる空間

3. 生活的寿命・・・将来の生活変化に対応した間取り計画

4. 資産的寿命
・・・メンテナンスを重ねながら価値を失われない家


汚れを汚れと感じさせない工夫

これまで日本の家は築20年もたてば建物に価値はなくなり、土地にしか評価価値はありません。しかしこれからは資産的寿命をいかに長持ちさせるかが重要になってきます。そのためには美しく老化させることが必要で、その一番のポイントは汚れを汚れと感じさせない工夫です。特に外装材においてはいかに水の流れがコントロールするかが大切です。もちろんその前に屋根、軒、庇の果たす役割も重要です。特に近年は隣家との離れの距離がなかったりデザイン的にすっきりみせたいとの理由で軒や庇を設けない家を多く見ます。これらは水の流れを上手くコントロールしておかなければいずれ水アカや雨仕舞の問題が発生しやすく美しく老化させることが難しいかも知れません。


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