仕事や家庭であれやこれやに追われ、まとまった練習時間がとれずに悩んでいる方もいらっしゃると思います。
ダイエットや健康維持を目的としたエクササイズも、ジムに行く1時間がとれないからなかなか続けられなかったりしますよね。ギターも「自分の時間が1時間すらとれないんだから、もう練習しても意味ないよ」なんて思っていたら、ちょっと待ってください!
わずかなスキマ時間も、積もれば山! 短時間の練習でも、ちょっとした工夫次第でいくらでもギターはうまくなるんです。
まとまった練習時間がとれなくたって、たった5分ほどのスキマ時間でできることは実はいくつもあるんです!
今回は事前のちょっとした「下ごしらえ」でグンと楽に曲が覚えられるようになる「曲構成把握法」をご紹介します。
楽譜とにらめっこばかりしていませんか?
歌謡曲の歌本やバンドスコア、ギター教室で配られる課題曲、最近ではコード譜をネットで検索して見ながら曲を練習することが多いと思います。パソコンですぐに楽譜が見られるのは便利、だけど......。
初心者によく見受けられるのは、とにかく音を聴くよりも楽譜に気をとられてなかなか曲が覚えられない、ということがよくあります。
楽譜のしょっぱなからやみくもに練習していると、はじめの1~2小節で結構時間がかかってしまうことも少なくありません。そしてしばらく練習した後に「う~、たった1小節でこんなに時間がかかるなら、一体この曲、どれだけ時間があれば弾けるようになるんだろう!?」とやる気がなくなってしまったりするものです。
はじめの1小節でこんなに時間かかるなんて!
でも、はじめにその曲がどんな流れになっているかをあらかじめ把握しておけば、練習の効率は何倍もアップします。
というのも、多くの場合、いくつかのパターンをくり返しすことで曲ができているからです。
あなたが練習している曲は、どんな流れ(構成)になっていますか?
大抵の曲は、次のようなセクションの組み合わせで成り立っています:イントロ
Aメロ
Bメロ
サビ
エンディング
曲によってはイントロはサビのメロディとほとんど同じかもしれません。また、サビの後にAともBとも違うCセクションが入ってくるかもしれません。
また、AメロやBメロと同じコード進行でギターソロなどが入っているかもしれません。
ついつい目立つサビのメロディやソロにばかり耳を奪われて全体を把握しそびれてしまいがちですが、限られた貴重な練習時間を有効に活用するためにも、ここでは曲構成を把握すること「だけ」に集中して取り組んでみましょう!
曲を分解してみよう!
練習する曲を決めたら、はじめに譜面を見たりせず、何度か流して耳だけで聴いてみます。しっかり音を聴きながら、全体像を把握しよう。
その時、わかる範囲でいいのでどんな部分に分解できるか考えながら聴いていきます。
そして、耳が曲に慣れてきたら小さなメモを手に【イントロ】【Aメロ】【Bメロ】【サビ】【ソロ】【エンディング】などとその曲に出て来る「登場人物」とおぼしきセクション名をそれぞれ数枚ずつ書きます。
自分なり、で大丈夫です。
そして、それらがどんな順番で出て来るかを上から下へ並べてみましょう!
すると、例えば
【サビ(イントロとして)】
【Aメロ】
【Bメロ】
【サビ】
【Aメロ(2番)】
【Bメロ(2番)】
【サビ】
【サビ】
【ソロ(Bメロと同じコード)】
【サビ】
【エンディング】
こんな風になります!
くり返される部分もはじめは1枚ずつカードをつくり、律儀に順番に並べていくのがいいでしょう。慣れて来たら、【サビ】×2 などと省略していけばいいのです。
バンドスコアなどを買うとそれぞれのセクションにアルファベットを□で囲んだマーク(リハーサルマーク、といいます)で印がついています。でもすべての楽器やボーカルのメロディがいっぺんに書かれているので1つの曲だけで何ページにも渡っていて流れがつかみにくいのです。
ですから、まずは耳で聴いて曲の流れを把握した上で、確かめのつもりで楽譜をみるといいでしょう。
そして、自分でチェックした曲の流れをノートにメモしておくのです。
ちょっと面倒にきこえるかもしれませんが、これをはじめにやっておくと自分が今どこを練習しているかが一目瞭然となり、迷いません。
また、個人練習だけでなく仲間と音を合わせる時も、うまくいかないところだけをピックアップして繰り返し練習したりでき、スタジオ代も節約できます。
5分、10分の空き時間が出来たなら、これから練習する曲を分解する時間にあてるもよし、そして既に分解した曲のどの部分をやるかを決めて、その部分「だけ」に集中して取り組むと、練習効果は倍増します。
すきま時間を目一杯有効に活用するには、こうしたちょっとした「下ごしらえ」が想像以上に役に立つのです!
さっそく試してみてください!