約2年半で株価が400ドルから954ドルへ上昇
グローバル企業として爆発的な成長を遂げる
同社は航空券、ホテル、レンタカー、パッケージ旅行などを取り次ぐオンライン旅行代理店です。特に利益率の高いホテル予約に注力しており、全世界約34万軒のホテルを同社で運営する複数のサイト、Booking.com、priceline.com、Agora.comで紹介しています。
全世界約34万軒のホテルをサイト上で予約可能
同社が運営するサイトのうち、2005年に買収した欧州のBooking.comが同社予約全体の9割を占め、利益の約8割を稼いでいます。Booking.comは全世界約34万軒のホテルを安価に予約でき、クチコミ情報などを見ることも可能です。英語、日本語のほか、世界40カ国語で運営されています。このBooking.comのお陰で同社売上の85%が海外(米国内は15%のみ)からとなり、グローバル企業として爆発的に成長する原動力となりました。一方、社名でもあるpriceline.comは米国内中心で、「Name your own price」というプロモーションCMが有名です。これは顧客がキャンセル不可条件で格安の希望価格を入れ、成立すれば破格の値段で購入できるという、逆オークション方式のユニークなものです。どのホテルが取れるかわかりませんが、うまく行けば格安の値段で高級ホテルが予約できます。
Agora.comは、2007年に買収した、アジア地域での予約を主にするサイトです。アジアでは中国最大のCtrip.com(CTRP)と提携もしています。
さらに2013年5月、18億ドルを投じる過去最大の買収額でKayak Software社を取得しました。Kayakはメタサーチと呼ばれる検索横断サイトで、ホテルやフライト、レンタカーなどを自社のpriceline.com、Booking.comからだけでなく、ライバルのExpedia.comを含めた検索結果の一覧を表示するもので、同社の広告収入事業の大半を占めます。Expediaの子会社である世界最大の旅行口コミサイト、トリップアドバイザー(TRIP)に似ている事業といえるでしょう。
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