ネットオークション/落札された商品を配送する

定形外郵便で送れるものは?出品者が使わない理由を解説

定形外郵便は、ネットオークションで最も利用されている発送方法です。料金が安いというメリットがあるのですが、一方で出品者があえて使わないことも。なぜ使わないのでしょう?定形外郵便のデメリットを中心に、その理由を解説していきます。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

フリマアプリ・ネットオークションガイド

12年間で最も利用してきた定形外郵便

12年以上ネットオークションをしている中で、商品を送る方法として最も利用してきたのが定形外郵便です。定形外郵便というのは郵便局のサービスのひとつで、「第一種郵便物」に含まれます。簡単に言えば「手紙」です。手紙というと、私たちは82円切手を貼ってポストに投函するものだと認識しますが、実は82円で送れる手紙には重さと大きさに制限があって、25グラム以内で、縦23.5センチメートル、横12センチメートル、厚さ1センチメートル以内のもの。もし25グラムを超えてしまうと、50グラム以内であれば92円で送ることができ、ここまでが「定形郵便」と呼ばれるものです。

ただネットオークションの場合には、商品を定形郵便で送れることはあまりありません。厚さが1センチメートル超えてしまうことが圧倒的に多いからです。したがって、定形郵便以外の郵便ということで、定形外郵便を利用することになります。
 

定形外郵便で何でも送れるわけではない!重量によって料金が変わる

定形外郵便も重さによって料金が変わります。ここでは詳細は述べませんが、重さ4キログラム以内、縦+横+厚さが90センチメートル以内(一番長いところで60センチメートル以内)であれば、定形外郵便を利用することができます。
https://www.post.japanpost.jp/service/standard/one_size.html
(郵便局の定形外郵便で送れるサイズ。郵便局のページより)

定形外郵便は、宅急便やゆうパックなどに比べると送料が安いので、多くの落札者はこの方法を選びます。たとえば出品者が関東、落札者が関東以外の場合には、宅急便やゆうパックだと送料がけっこう高くなります。もし沖縄や北海道だとしたら送料だけで1,000円以上になってしまうことも。商品代金よりも送料の方が高い……なんてこともあるくらいです。なので、できるだけ送料が安い定形外郵便が好まれるのですが、出品者が定形外郵便を扱わないこともあるのです。
 

定形外郵便を使わない理由1 発送のとき事故が起きても補償がない

定形外郵便を利用したとき、一番怖いのが配達中の破損や紛失などの郵便事故です。なぜならば、もし事故が起きても何の補償もないからです。壊れてしまっても弁償してくれるわけでも、お金が戻ってくるわけでもありません。そのため、窓口で定形外郵便の発送をするときには、中身はプチプチなどで保護されているかを聞かれることが多くなりました。保護されていると返事をすれば、配達中の破損については了承したと見なされるわけです。

紛失についても同じです。郵便ポストに入っていないとしても、どうすることもできないのです。なので、破損の可能性がある壊れ物や、万が一紛失したときに同じものがないレア物などを送るときには、出品者は定形外郵便を使いません。いくら送料が高くなったとしても、万が一のときの補償のある宅急便やゆうパックなどを使うのです。ちなみに、ゆうパックの場合、50万円を上限として実損額が賠償されます。ヤマト運輸の場合には、荷物1つにつき30万円まで損害賠償されます。
 

定形外郵便を使わない理由2 配達まで時間がかかることがある

あくまで普通郵便のカテゴリにある定形外郵便は、ポストに投函されるまで時間がかかる場合もあります。そのため、コンサートやスポーツ観戦のように日時が決まっているイベントのチケットなどを送るときに定形外郵便を利用すると、もしかしたら当日に間に合わない可能性のあるのです。そうすると、落札者とのトラブルになりかねません。

もちろん、オークション終了からイベントの開催日まで時間的な余裕があればいいのですが、ギリギリであれば、宅急便やゆうパック、あるいは速達を利用することをお勧めします。

 

定形外郵便を使わない理由3 追跡サービスがない

定形外郵便には追跡のサービスがないので、荷物が確実に落札者に届いたかどうかを確認するためには、落札者からの連絡や評価しか方法がありません。もし落札者から届いてないというクレームが来ても、出品者としては確認のしようがないのです。もし届いていないとしても、当然補償もないので、これもトラブルの大きな原因となってしまいます。
 

定形外郵便を使わない理由4 窓口に行かなければならない

定形外郵便は重さによって料金が変わるので、いったん窓口に持っていってそこで料金を支払う形をとります。(そもそも、厚みがあると普通のポストには入りません。)そのため平日仕事をしている人や外出がなかなかできない人は、定形外郵便を避けることもあります。もちろん休日や時間外窓口もありますが、宅急便やゆうパックの集荷を頼んだ方が楽なのは確かでしょう。あるいは宅急便であればコンビニでも対応できるので、定形外郵便よりも発送のタイミングが早くなることも多々あります。
 

定形外郵便を使わない理由5 丁寧に梱包するのが面倒

定形外郵便のデメリットは、梱包が必要なこと。

ビニール袋や紙袋があればある程度梱包できる

定形外郵便はすべて自分で梱包するので、その材料がなかったり手間だと思う人も多いかもしれません。一方で郵便局のレターパックやヤマト運輸とヤフオク!が連携したヤフネコ!パックであれば専用の入れ物があります。そのため、梱包材がない場合にはとても便利だと思います。忙しい出品者はこういった便利さを優先するので、定形外郵便を選ばないこともあるというわけです。


発送方法については中身の問題、そして落札者や出品者の送料の問題があります。一番いいのは補償や追跡がついている方法ですが、それ以外を選ぶ場合には万が一のときの対処ができにくいことをしっかり認識しておく必要がありそうです。

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