お金は金利の高いところに流れる

金利の高い通貨は買われる傾向にあるが、金利は高ければ高いほど良いわけでもない

金利の高い通貨は買われる傾向にあるが、金利は高ければ高いほど良いわけでもない

金利も為替レートを動かす大きな要因のひとつです。

実際、2005年1月から2007年6月にかけて、米ドル/円は1ドル=101円から124円まで円安が進みましたが、この時の原因は、まさに内外金利差によるものでした。日本はゼロ金利政策によって、短期金利などがほぼ0%に近い水準まで低下していたのに対し、米国をはじめとする諸外国の金利水準は、それをはるかに上回る水準だったのです。

これだけ金利差が歴然としてくると、ちょっと目端の利いた投資家のなかには、円ではなく、より高い利息収入が期待できる海外の通貨建てで運用しようとします。この時期、日本の個人投資家の間で、外貨預金をはじめとする外貨建て金融商品が人気を集めたのは、まさにこの内外金利差を取りにいこうという動きが広まったからです。

基本的に外国為替市場では、より金利の高い通貨が好まれ、買われる傾向があります。たとえば日本の金利が1%、米国の金利が3%であれば、円を売って米ドルにし、それで米国の金融商品を購入すれば、理論的には2%の金利差を得ることができます。

これを大規模に行ったのがヘッジファンドです。彼らは円で資金を調達し、より高い利息収入が期待できる、他の国の金融商品に投資しました。

たとえば日本の金利が1%、豪州の金利が5%であれば、1%で円資金を調達後、それを外国為替市場で売り、豪ドルを買って5%の金利で運用します。すると、支払の金利が1%で、運用によって得られる金利が5%ですから、その差に相当する4%分の利息収入が得られる計算になります。

ただ、これはあくまでも為替レートが変動しないという前提条件の下での話です。それは絶対にありえない話で、為替レートは常に変動していますから、そのリスクと引き換えにして4%の金利差を得るのが妥当かどうかという点を、この手の取引を行っているヘッジファンドなどの投機筋は常に計算しているのです。

限度を超えた金利高はむしろ売り要因

ただ、金利は高ければ良いというものではありません。あまりにも金利水準が高すぎると、今度は別の問題が生じてきます。

たとえば欧州債務危機が勃発した時、ギリシャやスペイン、イタリアの金利は大幅に上昇しましたが、ユーロにとっては売り要因になりました。言うまでもなく金利水準が大幅に上昇することの裏側には、その通貨に対する信認低下という問題があるからです。円も、今でこそゼロ金利などといっていますが、今後、日本の財政赤字問題が非常に深刻化したら、逆に日本の金利水準は大幅に上昇することにもなりかねません。つまり「悪い金利上昇」が起こるのです。

こうなった時、いくら円の金利が上昇しているとしても、外国為替市場で積極的に円を買うかというと、決してそうはならないと思います。誰もが、紙切れになるリスクを負った通貨に対して、積極的な投資を試みようとは考えないからです。逆に、むしろ円は売られることになるでしょう。つまり行き過ぎた金利上昇は、その通貨の売り要因になる恐れがあるのです。

金利水準については、その国の代表的な長期金利の動向を見るようにしましょう。日本であれば、償還までの期間が10年の長期国債です。また米国についても、同じく10年物の長期国債がありますから、両者の金利を比較することによって、どちらの通貨が買われるか、あるいは売られるかを判断できます。

ただし、現時点では日本も米国もゼロ金利政策を取っていますから、米ドル/円の取引を行う際に、内外金利差はほとんど参考になりません。

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