のんびり穏やかな田園風景。
カンペールからは夏の間、小さな村々へ向かうバスが出ています。本数はそれほど多くないので、事前にバスターミナルでよーく確認。でも決して時間通りには来ないので、あまりきっちりスケジュールは立てない方がいいかもしれません。田舎の小さな町々をご紹介しましょう。
ポップなお店でクレープを食べた。
白地に赤線のカップはシードル用。
この辺りでよく見かけるデザインです。
★ ポンタ・ヴァンでアートや素朴な陶器を探す
まずはゴーギャンゆかりの地、ポンタヴァンへ。意外なのですが、景色はまるで日本の温泉地に来てしまったような雰囲気。山沿いを急流の川が流れ、水車が回っています。有名な観光地であるだけに、お土産屋もずらずら。 ゴーギャンの影響で芸術家が多く住む町、とされていて、画廊もあちこちにあります。アートに興味ある方は、小さなサイズの絵やオブジェなど、お土産によさそう。品の良い雑貨屋やスタイリッシュなインテリアショップもあり。さすがアートの町。 それから素朴な土色をした陶器たちをよく見かけるのですが、これはレストランなどでクレープやシードルを入れたり、普段使いにもよく見られるもの。そうシードルはグラスでなく、こんな陶器のカップで飲むのです。何の飾り気もない、ざらっと荒い感じが魅力で、お値段も手ごろ。ときどき 白地に赤いラインが入ったシンプルなデザインの手付きカップも売られていましたが、これもシードル用だそうです。
繊細なレースの数々。張り付いて観てください。
★ ポン・ラベで昔の人々が使っていた道具に思いを馳せる
ブルターニュ地方はレース作りでも有名。気の遠くなるような、細かい模様が入ったもの、機械でなく、今も手作業で作りつづけられているものなどがお店でもちょこちょこ並んでいます。中にはアンティークも。ブルターニュの民族衣装で女性が頭に被る帽子のようなもの（コワフといいます）がこの繊細なレース模様で出来ていて、ポ ン・ラベの民族博物館には、このコワフがたくさん陳列されています。うっとりとため息が出るような美しさなのでレース好きは必見。それ以外にも昔の人々が普段の生活に使っていたカゴや農具など興味深い展示を観ることができます。
”つり”博物館のポスター。レトロな味わい。
★ コンカルノーではマリングッズ。ボーダーに魚介
ここは港町。海に突き出した城砦は歴史ある建物なのだけど、今はお土産街となっています。う～ん、横浜赤レンガ、みたいな感じでしょうか。しかしあそこまで洗練されていない、ちょっとやぼったい感じがいいのです。古い建物を壊さずにうまく利用しているのは同じ。いい匂いのするお菓子屋がたくさん並んでいるので、食べ歩きするのも楽しい。また、マリングッズが豊富。典型的フランス港町！って感じのボーダーTやバッグも多いので、マリン好きはチェック。 また海が近いので魚介類の加工食品があちこちに。パッケージにちょっとオトボケ風な魚の絵がグラフィカルにデザインされていて、思わずパケ買い（パッケージのかわいさだけで買ってしまうこと）しそうなものもありますよ。
帆布のクロスがずらっと並ぶ。ドキドキ。
★ ロクロナンで１００％リネンの帆布クロス
私が1番好きだったのはこの町。どこよりも小さいんだけど、中世の風情がまだまだ色濃く残る町並み。まるでタイムスリップしてしまったような、ノスタルジックな情景が広がっています。 ここは昔、帆布の生産が盛んだったそう。コロンブスがアメリカ大陸発見をしたときの船にも、ここの布が使われていたとか。今もその名残で帆布作りの技術を活用したテーブルウェアなどが作られています。とても丈夫なリネン１００％。デザインもシンプルなステッチ模様。町の真ん中にアルチザン専門のお店があり、この地で作られる手工芸品が売られています。職人の手さばきをここで見ることもできます。
魚のスープや缶詰、ゲラントの塩など。
パッケージもかわいい。
ところで、ブルターニュは葡萄ができないからワインがない代わり、りんごから作られるシードルはもちろん、イチゴのお酒やハチミツで作ったお酒など、珍しいものがいろいろ見つかります。魚介類や乳製品も豊富。お菓子だって負けてないし。 フランスってどんな場所へ行っても必ずおいしいものが見つかる（しかもお酒好き）なんだなあ、と食に対する奥の深さに改めて感銘を受けたのでした。
フランスに関する情報は All About Japanフランスガイドへ
前ページでは、ブルターニュの陶器、カンペール焼きをご紹介。
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