雑貨/北欧・ヨーロッパ雑貨

フランス・バスクリネンとおいしい雑貨

フランス、バスク地方で見つけた美しいリネンと、食べてもおいしい雑貨(?)たちをご紹介します。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

市場の風景
市場での風景。袋状になったリネンが、唐辛子と一緒にぶら下っています。


フランス、バスク地方を旅してきました。バスクといえば、海の幸、山の幸が豊富で星付きレストランが多く、美食の町として知られています。 また海沿いの町ビアリッツは高級リゾート地といわれ、サーフィンのメッカとして有名。 そう聞くと華やかでゴージャスなイメージですが、 私が訪れたのはもうバカンスシーズンを過ぎた頃。 静けさを取り戻した小さな町々は、もっと素朴でじんわり温かく、 緩やかな時間が流れていました。


農家の必需品から暮らしを彩る道具へ

牛のために作られた昔のリネン(バイヨンヌの博物館にて)。
バスクとは、国境を挟んでスペインとフランスにまたがる西側の一地方。 この地方独特の文化や風習があり、バスク語という独自の言語も持っています。 (氷河期からの古い民族で、クロマニョン人の祖先ともいわれているとか)。 今回訪れたのはフランス側のバスクである、ビアリッツ、バイヨンヌ、サン・ジャン・ド・リュズの主に3箇所。 テーブルに美味しい料理が並ぶとき、その下にはバスク特有のストライプのリネンが使われているのを あちこちで見かけました。

バスクリネンは17世紀頃に始まり、元々牛の日よけ、虫除けに作られたものだそうです。 当時のものは麻製で、丈夫で破れにくいよう、しっかりと厚手に織られています。 また牛の背中を覆っていたため、かなり大判に作られています。 自分の牛を他人のものと区別するため、線の太さや色を変えて、それぞれの模様で判断していました。 日本でいう家紋みたいなものでしょうか。 7本の線が入っていることも多く、これはバスクが7つの地域の集合体であることを表しているそうです。 昔ながらのクラシックなものは、赤、紺、緑などのシンプルなカラー。しかし現在は、 テーブルウエアやインテリアファブリックとして様々な色やデザインが自由に作られ、素材もコットンが主流。 モダンにアレンジされたものも多く売られています。

町中に溢れるバスクリネンの洪水

レストランでの風景。まさにバスクな色使い。 バスクリネンが特に目に付いたのが、サン・ジャン・ド・リュズという海辺の小さな町でした。 くねくねとした細い路地にはレストランがぎっしりとひしめき、 道にはみ出して外まで椅子やテーブルがずらっと並べられています。 そしてどの店もぞれぞれ自分たち好みのリネンを広げて、テーブルを賑やかに覆っています。 基本はシンプルなストライプなので、器や料理とコーディネートがしやすく、 また食事を一層美味しくしてくれそうな、明るく爽やかで元気なカラーが多いようでした。

町をぶらぶら歩きながら、バスクリネン・ウォッチングをしてみました。 見ているだけでウキウキしてくるような楽しい色使い。布好きには、息切れしそうなほど 興奮する地帯です。店もあちこちにあるので、うっかり買いすぎないように、 まずは落ち着いて、本場のお手前を拝見。 どの店もさり気なく工夫を凝らし、インテリアとして大変参考になります。

テーブルシーン1
クッションにしたり、テーブルクロスに使ったり。紙ナプキンもバスク柄で統一。
赤と緑はバスクの国旗にもなっている定番カラー。クリスマスみたいな演出ですね。


テーブルシーン2
テーブルウェアはもちろん、町の風景とのコーディネートセンスもさすがです。
色数が多くてもすっきりまとまってしまうのは、バスクリネンならではのマジック。


テーブルシーン3
伝統柄からモダンなものまで種類豊富。右は窓のカーテンもおそろいのバスク柄。


さて、もう一度言いますがサン・ジャン・ド・リュズには、バスクリネンを売る店がたくさんあります。 (ちなみにバイヨンヌやビアリッツにもありますが、ダントツで多いのはここかと。 また小さい町なので店が凝縮していて一気に見やすい。悩んで迷っても後戻りしやすい)。 昔ながらの素朴なデザインを揃える店、カーテンやシーツなど、インテリアファブリック全て が揃う店、バッグ、エプロンなど小物や雑貨が多く見つかる店など、それぞれ特徴があって楽しいです。 ワッフル地やタオル地のバスク柄があったり、この地方の名産品、サクランボやピーマンを モチーフに使ったちょっと可愛らしいものもあります(へんてこなものもあります)。 片っ端から回っても、この町なら一日で済みます。ただし、昼休みがきっちりあるので要注意。 田舎のフランスは昼は機能しないので、ゆっくりランチを楽しみながら、お買い物戦略を練りましょう。

街角風景
左上:バスクリネン風のストールも売ってました。素朴ながらスタイリッシュ。
右上:ほのぼのとした看板。牛にリネンが使われていた様子が描かれています。
左下:布を測り売りしているリネン屋さん。この日は残念なことにお休みでした。
右下:お買い得価格で売っていた、シンプルなデザインのリネン。


◆主なバスクリネンの店

Jean-Vier
http://www.jean-vier.com/
Maison Charles Larre
http://www.maisoncharleslarre.com/
Artiga
http://www.maisonartiga.com/
Helena
http://www.helena-lingebasque.com/
Ona-Tiss
23,rue de la bidouze 64120 Saint Palais
tel 05 59 65 71 84
Iban (Antique)
26,rue de la republique 64500 Saint Jean de Luz
tel 05 59 85 10 12


バスクリネン
お土産で買ってきたバスクリネン。下の2枚はJean-Vierにて。
上の2枚はアンティークで、1900~1930年代のものだそう。



次ページでは、バスク特有の雑貨フードをご紹介します。
バスク民族博物館
レストランのシーン
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