鉄道/鉄道関連情報

よみがえる旧万世橋駅とその周辺地域(3ページ目)

JR中央線の神田駅と御茶ノ水駅の間に、かつて万世橋と言う駅があった。およそ1世紀前、東京駅ができるまでのわずかな期間、中央線のターミナル駅として賑わった幻の終着駅。その後、長らく交通博物館があったが、大宮に移転後、再開発に着手し、2013年9月14日に商業施設として生まれ変わる。旧駅の遺構も歴史的構造物として公開される。オープンに先だって、施設をご案内しよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド


旧万世橋駅ホームを整備した展望デッキとカフェ

展望デッキを隣のビルから俯瞰

展望デッキを隣のビルから俯瞰


この施設で最大の目玉、とくに鉄道ファンにとって見逃せないのが、旧ホームを利用した展望デッキとカフェであろう。使われていないホームとは言っても、両側を頻繁に中央線の電車が通過するので、安全対策としてガラス張りにしてある。

入口

カフェN3331への入口

このデッキに行くには、N3331というカフェ・バーの案内表示に従って階段を上っていく。階段は二つあって、商業施設の真ん中あたりにあるのが、1912階段、神田寄りの万世橋近くにあるのが1935階段である。いずれも建設された年を表している。1935階段は、交通博物館閉館時(2006年)に特別公開されたが、1912階段は、1943年以来70年振りの公開である。

1912階段

70年振りの公開となる1912階段

 

1935階段

2006年に特別公開されたこともあった1935階段

由緒ある階段を上ったところが展望デッキ。中央線の電車がすぐ脇を走っているのを体感できる。
東京行き

御茶ノ水方面から東京行きがやってきた

デッキの柱には「まんせいばし」の昔風の駅名標があり、新型の車両を眺めながら往時を偲ぶこともできる。
まんせいばし

「まんせいばし」表記の脇を電車が通り過ぎる

ホーム上屋基礎

今回の工事中に発見されたホーム上屋基礎の一部。古レールを転用したものである

上記の写真右に見える山型の黒いものは、今回の工事中に発見された旧ホーム上屋の基礎の一部である。貴重なものであり、デッキを訪れた際にはお見逃しなく。デッキのカフェでは、昼は軽食とドリンク、夜は日本酒各種と刺身やチーズなどのおつまみが注文できる。他に例を見ないユニークな雰囲気だけに鉄道ファンはもちろん、多くの人にも評判となりそうである。

御茶ノ水駅、神田駅、秋葉原駅、小川町(都営新宿線)、淡路町(東京メトロ丸の内線)など多くの駅から数分でアクセスできるので、都心に出かけた時にぜひ訪ねてみたい。

<関連サイト>
mAAch ecuteの公式サイト
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