消費税アップ前の駆け込み需要が予想される
5%の増税は5%の収入減と同じ
高額な商品であるマイホームについては、消費者も住宅業界も、消費税が5%のうちに請負契約を結びたいと忙しい日々を送っています。車や家電などの高額な耐久消費材についても、やはり増税前に買っておこうと、年末あたりから駆け込みが増えると想定されます。
日常生活に必要なモノの多くが増税の対象に
消費税が5%増税されることで、家計の支出は増えます。消費税がかからないモノに「家賃・医療費・保険料・切手・はがき・土地」などがありますが、普段の生活に関わるモノの多くは消費税の課税対象となります。現在、月30万円で生活をしていた場合、5%の消費税がさらに課税されますので、実質28万5000円で生活をしなければなりません。ここで少し見方を変えてみましょう。
5%の減給を言い渡されても、大きな買い物をしますか?
例えば、夫の勤めている会社から「給料を来年から5%カットします」と言い渡されたら、あなたはどのような生活をするでしょう?転職なども考えると思いますが、多くの人がやりくりをしながら現状の生活を続けるのではないでしょうか?このように減給が予定されている時、家や車を買ったりしますか?減給前に買っておこうという心理は働くでしょうか? 実質、30万円の手取り収入が28万5000円になり、1万5000円の収入減となるわけです。
しかし、現在の住宅業界を見ていても、「増税前に契約を!」という流れです。他の高額商品に関しても、おそらく増税前に買っておこうという流れやマーケティングが想定されます。
増税は結果的に収入減と同じ状況を作ります。しかし、「増税前に買っておこう」という心理から逆に消費が伸びている状況がいわゆる「駆け込み」で、お金の流れが逆流しているのです。
富裕層に関しては支出が伸びるのは大いに結構なことですが、日々のやりくりに奮闘している子育て世代が同じように駆け込んでも、必要以上に支出や借金を抱えるだけではないでしょうか?
増税の5%分をやりくりする3つのポイント
では、現実的に何をすればいいのでしょうか?対策としては次の3つが挙げられます。■節約による支出のコントロール
家計簿を見ながら、毎月の支出を確認し、どの項目をやりくりできるか総点検し、優先順位を家族で話し合いながら節約項目を決めていきましょう。改めてチェックすることで、ほとんど利用していないにも関わらず契約し続けているものなどに気づき、無駄を省くことができます。
とくに、通信費(携帯電話の契約内容など)、生命保険や医療保険の保障のダブりはチェックしておきましょう。教育費についても、習い事などが子どもの役に立っているかどうか、子ども本人と一緒に点検が必要ですね。小遣いに関しては、心が虚しくならないためにも最終手段とし、家族全員でできることから取り組むと良いでしょう。
■5%の収入アップを図る
次に収入を増やせないか考えてみます。稼ぎ力をアップできれば、節約ばかりの人生を送らずにすみます。自分にできることの中に、もしかしたらお金に換えられる能力が隠れているかもしれません。自分の時間や労力をお金に換えることができたら素晴らしいですね。
収入を5%アップさせるくらいなら、不用品をオークションで売るなど、自宅にいてもできることは多くあります。特に女性にはこの機会に稼ぐ力を身につけてもらいたく、5%とはいわず多くを稼ぎ出すスキルを身につけ、キラキラと輝いてほしいと思います。
■運用力をアップさせる
まとまった預貯金があれば、上手に資産運用することで利益が出せる可能性もあります。しかし、相場には大波小波があり、必ずしも継続的に5%の運用益をあげることはできないと肝に銘じる必要があります。5%の運用益をあげるより、5%節約するほうが確実で簡単だということも覚えておきましょう。
運用に関しては、長期間に渡って小さな成功と失敗を繰り返すことで、相場観が身につき、結果が出せるというものです。最初は失っても困らない金額から小さく始めるといいですね。
上記の3つは、増税があろうとなかろうと、子育て世代にとって大切な「お金の力」ともいえます。この機会に家計管理力をアップさせ、増税にも耐えられるお金の力を養ってみませんか?
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