企業年金・401k/401k企業型の運用のポイント

401kで95%の会社員がプラス運用になった!(2ページ目)

アベノミクスの効果は、サラリーマンにも生じつつあります。2013年3月末で、95%の会社員の401kの運用がプラスになったというのです。今後の上手な運用方法を考えてみます。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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ちょっとプラスに戻ったからと安心はまだ早い!

とはいえ、運用がプラスだからと喜んでばかりではいられません。プラスの状況は人それぞれだからです。95%がプラスといっても、運用成績(年率換算)でいえば、0~1%程度の実績にとどまる人が46%とほぼ半分を占めているからです。

この人たちは元本割れしていた人が半分以上であったときもプラスであった人たちなのですが、定期預金等に預けているだけで、大きく増えることもない人たちです。本当にこのままの運用でいいか、この期に一度考えてみるといいでしょう。(もちろん、大きく増えないけれど、大きく減らないならよい、という人もいますので、投資信託の購入を強制するものではありませんが)

また、プラスである人も、21.5%は1~3%の範囲に収まります。こちらも過去の株価低迷時を乗り越えることができたとはいえ、チャレンジしたリスクに見合う利回りといえるか、考えてみることが必要です。

401k向きの運用方法はこんな感じでいい

前ページのように、株価の数千円の値動きが元本割れかそうでないかに大きく影響するとすれば、私たちの運用はどう考えるべきなのでしょうか。

まず考えなければならないのは「短期的には元本割れも大きな値上がりもありうる」という点をしっかり理解して運用に臨むということです。実は2001年10月に日本版401kとしてスタートしてから、日経平均株価では1万円を割れて8000円近くまで下落したことが2回、1万5000円を超えたことが2回あるのです。このうち1回はリーマンショック後ですが、10年も運用すると、こうした「急上昇」と「急落」が繰り返す、と考えるくらいが個人にとってはちょうどいいのです。

このとき、小刻みにタイミングをねらって売ったり買ったりすることはうまくいきませんし、ちょっと元本割れしたからと焦って手放すのもうまくありません。今でもなかなかプラスに戻ってこない5%の人たちの多くは、リーマンショック後の急落に驚き、株式投資信託を手放し(損失確定し)、定期預金等に振り替えたまま、値上がりのチャンスを見過ごしてしまったと考えられるからです。

おススメしたいのは「何割くらいは投資信託を買ってもいいか」をしっかり決め、株価の値上がり等でその割合を超えた部分については「部分的に利益確定をする」という方法です。

まず、短期的には元本割れする可能性がある投資信託と定期預金等を何割ずつの割合でブレンドするか最初にしっかり考えます。ざっとマイナス15%くらいの下落が覚悟できる金額で投資信託を購入します(これは下落した年の年率でありその後回復する可能性も多いにあることも意識する)。

次に、株価上昇時などには全額を売ってしまう利益確定をせず、うまく儲かった部分だけにとどめます。定期預金は値下がりしませんが、投資信託等が値上がりすると、「割合」として投資信託を多く持っていることになります。先ほど考えた購入割合を超えてしまった部分のみ売却をすると、投資の割合はキープしつつ、うまく儲かった部分を利益確定できるのです。値下がり時には逆の選択も行えばより効果的な運用になります。

95%の会社員の運用がプラスに転じたというのは、とても有難いことです。ぜひ、この経験を活かして、確定拠出年金の運用をステップアップしていきましょう。

また、個人の資産形成もぜひチャレンジしてみてください。
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