401k運用でほとんどの人がプラス!
アベノミクスに伴う株価の上昇は、いろんなところに恩恵を生み出しています。しかし、アベノミクスのメリットがあるのは金持ちだけだと思っていませんか?会社員の440万人が利用している確定拠出年金(企業型の401k)においては、ごくごく普通の会社員が自己責任のもと株式投資信託などで運用にチャレンジしていますが、アベノミクスの効果はここにも現れているようです。
年金関連の専門誌「年金情報」(格付投資情報センター刊)によれば、2013年3月末時点で調査を行った結果、なんと95%の会社員の運用はプラスであることがわかったのです。
401kといえば、リスクを押しつけられたもの、という印象が強く、多くの会社員の運用はうまくいっていないというイメージがありました。2012年2月にはNHK「あさイチ!」でも取り上げられ、401kの運用でマイナスになっている人が多いことと、その対策について私もスタジオに呼ばれてコメントしたくらいです。
そのとき使ったデータは、2011年9月末で6割弱の人が元本割れになっている、というニュースでした。当時は40%の人しか運用でプラスじゃなかったのに、なぜほんの1年で状況が変わったのでしょうか。
ちょっとの株価変動が大きく運用結果に連動する
6割近い人が元本割れの状態であった2011年9月末の時点で、日経平均株価は8700円と大きく値下がりしている状態でした。しかし、2013年3月末時点では株価の急騰、円安の効果もあって、国内の株式・債券、外国の株式・債券いずれに投資してもプラスのリターンが得られる状態でした。日経平均株価は1万2397円を記録しています。実は6割の元本割れがたったの5%まで減った要因は、この株価上昇、運用環境の好転でほとんど説明できます。投資といえば、売ったり買ったりを繰り返すものだと誰もが思っていますが、日本中の440万人の会社員は上手に売ったり買ったりをしたわけではありません。むしろ、運用についてほったらかし気味であることが明らかとなっています。
なんと、ただ「持ち続ける」だけ、「ほったらかし」でも、これだけ株価があがり、円安になったことで、プラスの運用を実現できたのです。
逆にいえば、自己責任といっても、日経平均株価が数千円値動きしただけで、元本割れの人が半分以上になったり、1割以下になったりと変動するものなのです。
プラスになったから喜んでいてはダメ? 次ページへ>>