寛次郎が自ら設計した遺邸で作品やデザイン画を公開展示
大正・昭和にかけて京都を拠点に活動した陶工・河井寛次郎の住まい兼仕事場を公開した「河井寛次郎記念館」。清水焼の発祥の地、五条坂にあります。
寛次郎が自ら設計した遺邸で、寛次郎の作品やデザイン画、蒐集品、住居を公開展示しています。
また、建物だけでなく、館内の家具や調度類も寛次郎のデザインや蒐集によるもの。
それぞれが個性的でありながら、不思議な統一感を生み出しているのは、稀代の芸術家・河井寛次郎のセンスを感じさせます。
展示される陶芸作品は、作陶時期ごとに、初期(大正)、中期(昭和・戦前期)、後期(昭和・戦後期)に分けられ、時代とともに変化を遂げる寛次郎の作風をみることができます。
また、陶芸作品の他にも、木彫、金属、書・ことばの展示も行われ、陶芸だけにとどまらない寛次郎の芸術に対しての貪欲さを感じられます。
寛次郎の作品もさることながら、さまざまなオブジェが設えられた中庭も見ごたえがあります。
なかでもポツンと置かれた丸石は存在感抜群。
ある人が石灯篭を寄進しようとした申し出に対し、「丸石がいい」と寛次郎が答え、自ら転がして位置を決めたという逸話が残っています。
しっとりとした雨の日が似合う記念館です。
■河井寛次郎記念館
住所:京都市東山区五条坂鐘鋳町569
電話:075-561-3585
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は開館、翌日休館)
入館料:大人900円
アクセス:京阪電車「清水五条」駅より徒歩10分
HP:www.kanjiro.jp/
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