初心者でも伝統芸能を楽しめる
国立文楽劇場は、大阪市営地下鉄堺筋線・千日前線「日本橋駅」の7番出口から歩いて1分のところにあります。私が初めて文楽観劇にお誘いいただいたのは、4、5年前のことです。当時はなんの知識もなく、「伝統芸能」という言葉に緊張し、「現代人の感覚や生活とはかけ離れた内容なんじゃないか?」と不安でした。
しかし、開演中は舞台上部に字幕が表示されますし、ストーリーの解説を聞くことができる「イヤホンガイド」も利用できます。パンフレットでも現代語で詳しい解説があり、初心者の方も楽しむことができます。
文楽とは?
「文楽」という名前は、「文楽座」という人形浄瑠璃を専門とする劇団の名前に由来します。人形浄瑠璃とは、「人形劇と浄瑠璃」を合わせたもの。浄瑠璃とは、太夫がストーリー(場景、物語に隠された背景、登場人物の台詞)を語り、三味線が場面や台詞などに応じて弾き分けをするという芸能です。
文楽の舞台上では、浄瑠璃に合わせて人形たちが動き始めます。人形に命を与えるのは人形遣い。1体の人形を「主遣い(首と右手)、左遣い、足遣い」の3人の人形遣いが操ります。
文楽は、太夫、三味線、人形遣いの「三業」で成り立つ芸能なのです。
文楽を通して考えたこと
文楽観劇に通ううちに、私は「人の悩みや喜びは、今も昔も、国や人種が違っても共通するものがある」と気づき始めました。たとえば「傾城阿波鳴門」では、お弓とおつるの母子が、お互いを思いながらも別々に暮らす悲しみが描かれますが、「レ・ミゼラブル」のファンティーヌも、コゼットを思い続けながら暮らしていましたよね。
また「粂仙人吉野花王」では、「花ます」という美女が粂仙人に自慢のお色気で迫るシーンがあります。この場面で私は、布袋寅泰さんの歌う「バンビーナ」を思い出し、「桂川連理柵」で14歳のお半が妊娠するという展開に、Madonnaの” Papa Don't Preach”を連想しました。
文楽を通して「色んな思いを抱えて生きているのは、私一人ではないんだ」と考えると、生きることが「楽に、楽しく」なりますよ。
■国立文楽劇場
住所:〒542-0073 大阪府大阪市中央区日本橋1-12-10
電話番号:06-6212-2531
料金:公演により異なる。
営業時間:公演により異なる。
休館日:年末年始、創立記念日(7月1日)
アクセス:堺筋線・千日前線 日本橋駅下車。出口7より徒歩1分
HP:www.ntj.jac.go.jp/bunraku.html
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