注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

日射遮へいを活用して季節の変化に対応する(2ページ目)

開口部は外壁と比べると熱損失が大きいところです。敷地条件によって時には大きな開口部がほしいときもあるでしょう。しかし大きな開口部は住まい全体の断熱性で考えると弱点になりやすいところでもあります。四季折々の変化はもちろん、デザイン性なども含め全体のバランスを考慮して断熱と開口部のあり方を考えてみましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


昔からの知恵を現代の家に生かす

昔の日本の家屋は軒が深かったので軒先にすだれやよしずをかけることで日陰をつくりました。なので出来るだけ窓から離してつけることがコツでした。

2階の窓ガラスは西日を受けるので、よしずをかけられるフックを設けて夏の西日を遮へい。

2階の窓ガラスは西日を受けるので、よしずをかけられるフックを設けて夏の西日を遮へい。


軒先を深くし、犬走りを設け、外側にブラインドを取り付けられるように細工(設計:佐川建築研究所)

軒先を深くし、犬走りを設け、外側にブラインドを取り付けられるように細工
(設計:佐川建築研究所)


昔の家にあった地窓、地窓は北側の低い位置につくられている小さな窓です。ここから入った涼気が南側の上部から抜けていくともっとも効果があるといわれています。これも昔の知恵なので参考に取り上げました。

昔の家にあった地窓、地窓は北側の低い位置につくられている小さな窓です。ここから入った涼気が南側の上部から抜けていくともっとも効果があるといわれています。これも昔の知恵なので参考に取り上げました。



できるかぎり機械的手法に頼らない考え方

今年10月に施行される省エネルギー基準において窓の日射熱取得量を建築的に取り付ける障子やブラインドで補正することができるようになります。そもそも日本の住まいは開口部の大きな住まいをつくり、すだれなどを使用して涼をとるなど、古くからパッシブ的な手法による住まいづくりでした。

現代の家→高気密高断熱【閉鎖的・空調によるコントロール】

これからの家→パッシブ【開けたり閉めたり・新自然住宅】


高気密、高断熱住宅は断熱性能を向上させるため、出来るだけ窓を小さくしながら機械的手法を活用することになります。新自然住宅は大きな窓のまま障子やフスマ、縁側といった断熱補助設計で断熱性能を向上させ、できるかぎり機能的手法に頼らない考え方です。そのひとつが外部に遮へい材を活用する方法です。
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