ガソリン自動車よりも古い電気自動車の歴史
電気自動車はこれから普及する次世代の自動車という認識が強いかと思いますが、実はその歴史は古いのです。ダイムラーが発明した内燃機関付き自動二輪車や、カールベンツが発明した三輪自動車が1885年に登場したのですが、ガソリン自動車よりも前、1839年に初めての電気自動車はこの世に誕生しました。しかし、当時この段階では実用に至る電気自動車を作る技術はなく、普及には至りませんでした。ジャメコンタクト号
1900年頃には蒸気・ガソリン・電気と3つの動力源の車が普及していましたが、この頃全世界の自動車の40%を電気自動車が占め、ニューヨークのタクシーはすべて電気自動車と言われる時代がありました。この時代優位に立ったのは電気自動車で、19世紀末のアメリカで最盛期を迎えていたのです。その理由として、電気自動車は当時、製造やメンテナンスが容易で排ガスや臭いもなく、スイッチを入れるだけでモーターが回り始めるなど、運転するガソリン自動車は開発の初期段階にあり、点火装置をつくるのが簡単ではなく、まともに運転するには高い技術力が必要だったため、なかなか人々に受け入れられはしませんでした。
しかし、1904年にフランスのガソリン車ダラクが時速100マイル(168.2km/h)の壁を突破したことをきっかけとして、ガソリン車の優位性が鮮明になっていきました。ガソリン車はその仕組みや課題でもあった点火装置などの改良が次々と行われていきましたが、電気自動車に関しては化石燃料を使わないことから、モーターやバッテリーの開発に資金が付かなかったため進歩することがありませんでした。そして1908年にフォードがかの有名な「T型フォード」を発売し、内燃機関の技術が進歩したことと、政府の支援もあり価格が低下したことを受け、爆発的に人々に支持されていくようになりました。そしてそれに伴い電気自動車は市場から次第に姿を消していくのでした。それから現在まで、化石燃料を使うことで各国の政策と合致した、ガソリンエンジン自動車は世界各国で自動車産業の発展を遂げてきました。