「グラッシェル」のこだわりとシェフの思い
「GLACIEL(グラッシェル)」という店名は、フランスでアイス職人を意味する「グラシエ」や「グラス」という言葉と、空を意味する「シエル」から生まれた造語です。表参道の通りから、教会のある角を一本入った閑静な住宅街の一画に、隠れ家のように佇む店舗。入口からの細い通路を抜けると、突然、中庭が広がり、見上げれば青い空。ふと、別世界に入り込んだかのような不思議な感覚にとらわれます。
2階のカフェは、ゆったりとくつろげるソファなど、落ち着いた雰囲気のインテリアでまとめられています。ポップカラーがアクセントの明るく広々とした個室も併設。友人達との集まりやイベントなど、色々と利用できそうです。
こちらが、「グラッシェル」を代表するアントルメグラッセの一つ、「グランフレーズ」。生クリームデコレーションに苺をのせたショートケーキを思わせる、華やかな一台です。周囲は、濃厚でいてさっぱりとした後口が特長の、北海道・函館の山川牧場産のジャージー牛乳を使ったミルク味のソルベ。苺には、フランスではよく見られる野生の苺「マラ・デ・ボワ」を使うことで、よりインパクトのある濃厚な味わいを表現しています。苺のコンポートの下は、マダガスカルバニラを使った上品なバニラと苺のマーブルアイスです。
「ショートケーキは日本を代表する人気のケーキなので、アントルメグラッセでもぜひ表現したかったんです。」というのは、これらの様々なアントルメグラッセを考案しているシェフパティシエ・グラシエの江森宏之氏。「グラス(氷菓)を使ったアシェットデセール・コンテスト」2010年優勝、「ぐるなびシェフ BEST OF MENU 2010」デザート部門準優勝など、様々なコンテストでも活躍している気鋭の若手です。
江森氏は、渡仏しての修業時代、フランスの国家最高職人M.O.F.であり、ルレ・デセール インターナショナルの店「Patisserie FRESSON(パティスリー・フレッソン」などを経て、初めて本場のアイスやアントルメグラッセに出会い、“グラシエ”が作るアイスのおいしさに感激し、魅了されたそうです。とれたての旬のフルーツを使ったソルベ、日本とは異なる土壌と環境で培われた濃厚な乳製品や卵、挽きたての自家製ナッツペーストを使ったグラスなど。「グラッシェル」では、そんなフランスの素材使いや伝統的な製法を受け継ぎつつ、江森シェフの感性で現代的にアレンジし、日本の素材を採り入れた、日本ならではのアントルメグラッセを提案していきます。
サイズは直径12cmの4号程度。記念日やお祝いにも、手土産としても使い勝手のよい大きさです。専用保冷箱に入れドライアイスをつけてくださるので、3時間はテイクアウト可能とのこと。
また、2階のカフェでは、これを1/6カットしたサイズの3種類のアントルメグラッセを日替わりでセット提供する「アントルメグラッセ盛り合わせ」(1200円)もイートインメニューとしていただけます。
フレッシュなグラスやソルベを組み合わせて作り上げるアントルメグラッセのこだわりは、見た目の美しさだけでなく、切った断面の鮮やかな色彩が重要。そして、卵黄が入ったしっかりと味の濃いグラスと、さっぱりしたソルベとの食感や口どけの違いを活かし、土台や中の生地、混ぜ込まれたナッツやフルーツの食感をアクセントとしていることも特徴です。
生地は、アーモンドパウダーを増やし油脂分を高くすることで、冷たく固まった状態でも包丁が入りやすいよう、そして口の中でしっとりと、アイスとより一体化するよう工夫されています。また、フルーツは、冷凍ホールやフレッシュの状態でそのまま入れただけでは固く凍ってしまうところ、一度コンポートして糖度を上げることで、しっとりとした歯触りを保たせているのも、細やかな気遣いです。
さらに次のページでは、多数あるアントルメグラッセの中からピックアップして、お薦めの品をご紹介します。