赤ちゃんは「痛い顔」をママのお腹の中ですでに練習している
生まれたその日からお腹がすくと顔をくしゃくしゃにして泣いたり、数ヵ月後にはあやすとケタケタと笑うようになったり……。赤ちゃんは、これらの顔の表情を、いつどこで習得してくるのでしょうか?
それはママのお腹の中。イギリスの大学の研究が、母親の胎内で表情を変化させる赤ちゃんの様子を、4Dエコーで捉えました。
これまでの研究で、お腹の中の赤ちゃんの顔の表情は、妊娠中から発達し、後期に向けてより複雑になることが分かっていました。今回新たに、さらに詳しい発達段階が判明したのです。
■妊娠24週:
赤ちゃんの顔のパーツの動きは、「唇を動かす」のような、単純な1つだけの動作がほとんど。これは後々、笑うために必要な動きにつながっていくものだそうです。
■妊娠36週:
顔の動きが、より複雑に、より頻繁に変化するように!眉をしかめる、鼻にシワを寄せる、口元をすぼめるなどの表情を、少なくとも4つ以上組み合わせ、「痛そう」と思わせる複雑な表情を作るまでに発達していたのだそうです。
ただ現段階では、赤ちゃんがお腹の中で見せる「痛い顔」が、実際に痛みとリンクしているかどうかは分からないとのこと。表情は、実際の感情よりも、脳の成熟度に関連しているのではないかと研究者達は見ています。
赤ちゃんは、お腹がすいた、オムツが気持ち悪い、など自分の不快感は自分で訴えていかなくてはなりません。そして、そのコミュニケーションは、生まれたその瞬間からはじまります。だからすぐに適応できるように、お腹の中で準備をしてくるのではないかと研究者達は示唆しています。
>>次ページは、生まれた直後から示しはじめる、赤ちゃんの「あるリアクション」についてのレポートです。
*出典、写真とも:PLOS ONE 「Can Healthy Fetuses Show Facial Expressions of “Pain” or “Distress”?」より