オーストリアらしい定番のお土産とは?
オーストリア旅行ではオペラ鑑賞や天才作曲家ゆかりの地巡りに主眼を据えている方が多数ですが、同国のお土産にはどのようなものがあるのでしょうか? 楽器? モーツァルトの顔入りTシャツ……? いえいえ、オーストリアにはずっと多様で、まだまだ日本には知られていない奥深いカルチャーが存在するのです! 今回は、そんなオーストリアの息吹をたっぷり日本に持って帰れるような、定番からニッチなものまで、周りに喜ばれるお土産を紹介していきたいと思います。ばらまき用のお土産とモーツァルトグッズ
お土産と言えば、やはりその土地でしか買えないもので、小・軽・安(小型、軽量、安価)を選びたいところ。特にオーストリアのどこのお土産ショップでも取りそろえられているモーツァルトモチーフの小物は、お土産選びに困ったときの強い味方で、自分の予算や相手の好みに応じていろいろとセレクトできてとても便利です。1.遥か中欧~アルプスの風薫る、マグネットたち オーストリアの自然や歴史、文化などを最もコンパクトかつキュートに体現したものが、ここに紹介するマグネット類。知人から貰ったり、自分で買い集めたりするうちに、いつの間にかマグネット・コレクターになってしまった人も多いのではないでしょうか? オーストリアを代表するようなデザインから、各地方や都市限定の「ご当地もの」まで、幅広いチョイスが可能なのも嬉しいところ。お土産店によってマグネットの取り揃えが微妙に異なるのも、旅先でのショップ巡りの醍醐味です。自分や贈られる人にとってぴったりのデザインを、心行くまで探してみてください。
2.モーツァルトの顔つきチョコボール、「モーツァルトクーゲル」 プチプラアイテムとしては、オーストリア土産の中でもっとも有名なのがモーツァルトクーゲル。これはピスタチオ味のマジパンとヌガーでできた球状のペースト生地に、ダーク・チョコレートでコーティングを施したチョコレート菓子の一種で、1890年にザルツブルクで考案されました。同じくザルツブルク誕生の偉大な天才音楽家、モーツァルトへのオマージュから「モーツァルトクーゲル」と名付けられ、オーストリアを訪れる観光客から絶大な人気を誇っています。ばら売りから袋入り、箱入りと、目的や人数に応じて選べるのが嬉しいところ。
<参照記事>「ユニークなオーストリア土産!モーツァルトクーゲル」
3.風変わりな泡入りチョコ、「シュヴェーデンボム」 シュヴェーデンボム(スウェーデン爆弾)はオーストリアのニーメッツ社が生み出した、同国の知られざる銘菓。前述のモーツァルトクーゲルでは王道すぎて物足りない人にお勧めです。ボムと名がつく通り爆弾状の見た目で、味はプレーンチョコレートとココナッツフレーバーの2種類で展開されており、中にはフワフワの甘いフォーム(泡)が詰まっています。その風変わりな見た目とネーミング、食感などから、プチプライスながらも話題性の高いお土産となること間違いなし。
グルメも大満足! お酒やスイーツでオーストリア気分に浸る
世界でも指折りのグルメである日本人としては、やはりオーストリア独特の食べ物や飲み物もぜひスーツケースに詰めて持ち帰りたいもの。オーストリアには食通をうならせる美味しいデリカテッセンが山ほどあるので、どれから紹介したものか迷ってしまうほどですが、今回はその中から選りすぐりのお土産を紹介します。1.ホテルザッハーの「オリジナル・ザッハトルテ」 オーストリアを代表する名物スイーツといえば、ホテルザッハーのオリジナル・ザッハトルテ。これは1832年にハプスブルク家のシェフ見習いであったフランツ・ザッハーが同皇室のために考案した名物チョコレートケーキで、「世界で最も有名なチョコレートケーキ」とも評されています。オーストリアではもちろんのこと、昨今では日本でも頻繁に見かけられますが、門外不出のオリジナルレシピに基づいて製作されたものは、こちらホテルザッハーのオリジナル・ザッハトルテのみ。ぜひ本物を日本にも持ち帰って味わってみてください。
ちなみに、ザッハトルテは「甘くない」ホイップクリームを添えるのが正しい食べ方。お召し上がりの際には、ホイップクリームの購入をお忘れなく!
<参照記事>「世界一のチョコレートケーキ"ザッハトルテ"を食べよう」
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■Café Sacher Wien
所在地:Philharmonikerstrasse 4, 1010 Vienna
営業時間:毎日8:00~24:00
2.芳醇な「オーストリアン・ワイン」もマストバイ!
オーストリアには22の白ワイン品種、13の赤ワイン品種がクオリティワインとして認可されている
オーストリアには赤・白・ロゼ・アイスワイン(貴腐甘口ワイン)など、あらゆるワインが存在しますが、最も美味しいと定評があるのは白ワイン。オーストリア独自の白ワインの中ではグリューナー・フェルトリナーが最もポピュラー、次いでツィアファンドラー、ロートギプフラーなど。赤ワインの方もタンニンの強いツヴァイゲルトを筆頭に、ブラウフレンキッシュ、ザンクト・ラウレンなどオーストリア独自の品種が成功を収めています。「自然」に重きを置くオーストリアならではの、BIO(オーガニック栽培)のワインも種類豊富に見つかるので、こちらも要チェック。
なお大量に購入した場合には、日本入国時の税金申告をお忘れなく。
3.ハプスブルク皇室御用達、デメルのお持たせスイーツ いわずと知れたハプスブルク皇室御用達デメルのお土産ショップ。こちらにはチョコレートグッズを筆頭に、ケーキ・焼き菓子類やマーマレード、ヌガー、カッツェンツンゲ(ラングドシャ)などが愛らしいパッケージとともに売られており、日本のデメルでは取り扱いのない商品も豊富に揃っています。特にクリスマスやイースター、バレンタインなどのイベント時には、食べるのが憚られるほどキュートで芸術性の高いチョコレート商品がずらりと並ぶので必見。オーストリアらしいエピソードつきのお土産を選ぶなら、皇后エリザベートが好んで食したとされるスミレの砂糖漬け(上写真)がお勧めです。
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■Demel K.u.K Hochzuckerbäcker Wien
所在地:Kohlmarkt 14, 1010 Vienna
営業時間:毎日8:00~19:00
アクセサリーや雑貨など、形に残るお土産に。
ご当地グルメも捨てがたいけれど、食べたり飲んだりすればなくなってしまう……。やはり形に残るものを持って帰りたいという方には、こちらがおすすめです。1.スワロフスキーのアクセサリー クリスタル製の美しいアクセサリーで日本でも名を馳せるスワロフスキー。オーストリアに本拠地があるため、美しい装飾品や時計、ステーショナリーグッズ、室内装飾品、双眼鏡などを日本定価の約半額で手に入れることができるため、近しい人へのお土産に最適です。またオーストリア国内の路面店では、いずれも幻想的で独特の世界観の展示がなされているので、クリスタルワールドを体験してみたい人は一度訪れてみる価値あり。また夏と冬のセール時には更に買い求めやすくなるので、お見逃しなく。
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■Swarovski Store Wien
所在地:Kärtner Straße 24, 1010 Vienna
営業時間:月~金 9:00~21:00、土 9:00~18:00、日・祝は休業
2.ウィーン発祥「スノーグローブ」 誰しも一度は目にしたことがあるであろうスノーグローブ(独 シュネークーゲル)。こちらは逆さにして振ると、中の白い粉が揺れてまるで雪が降っているように見えることからついた名称で、1900年にオーストリア人のエルヴィン・ペルツィー氏により発明されました。お土産ショップにもオーストリアの史跡や有名人物、ラッキーチャーム(馬蹄、豚、四葉のクローバー、煙突掃除人、キノコ)やオーストリア銘菓などがフィーチャーされたスノーグローブがたくさん並んでいるので、選んでいるだけでも楽しくなります。元祖ペルツィー社の商品を買うなら、黒い台座が目印です。
3.クリムトの食器類 ウィーンを代表する世紀末画家クリムトは、金箔を大胆に用いた技法と琳派の影響を強く受けたとされる作風で日本でもファンの多い芸術家のひとり。こちらウィーンではクリムトの傑作である「接吻」や「アデッレ」をモチーフにした食器類がバラエティ豊かに売られているので、これらを持ち帰れば日本でも高尚でエレガントなティータイムが過ごせること間違いなし。
コスメや食品……スーパーやドラッグストアで買えるコスパお土産
お土産ショップとは異なり、オーストリア各地のスーパーマーケットやドラッグストアでは現地の生活に根差した美味しいものや珍しい商品を比較的安価に手に入れることができます。1.オーガニックコスメ オーガニック先進国のオーストリアでは、食べ物や生活用品、衣類のみならず、化粧品の分野でもクオリティの良いオーガニック製品が簡単に手に入ります。需要がすこぶる多いため、日本に比べて種類が圧倒的に多く、価格もかなり抑えられているのが魅力です。またオーガニックであるだけでなく、「動物由来の成分不使用(Vegan)」を謳ったり、「動物実験なし(Kein Tierversuch)」を意味するウサギのマークが記されているなど、商品コンセプトも先進的。購入時に迷ったら、”BIO”(オーガニック)と明記されているものを選ぶと確実です。チェーン系列のドラッグストア、Müller(ミュラー)、BIPA(ビパ)、dm(デーエム)などで簡単に入手可能。
2.パンプキンシード・オイル カボチャはオーストリアの名産品の一つですが、なんといっても珍しいのは、ローストしたカボチャの種を絞って作られるパンプキンシード・オイル。サラダにかけたり、パンプキンスープに垂らしたりするほか、バニラアイスクリームにトッピングしてデザートとしても食されます。味が香ばしく、セレンとビタミンEが豊かに含まれ、抗酸化作用も高いことから特に女性に人気です。スーパーでは様々な銘柄が販売されていますが、本物のシュタイヤマルク州のオイルを手に入れるなら、"100% Steirisches Kuerbiskernoel g.g.a."(純正シュタイヤマルク産パンプキンシード・オイル)とラベルに記載されている商品を探してください。
3.岩塩 ザルツブルクやザルツカンマーグートの「ザルツ」がドイツ語で「塩」を意味するように、オーストリアでは岩塩が潤沢に産出されます。スーパーではオーガニック製品のほか、様々なハーブ、赤ワイン、ガーリック風味などの珍しいフレーバーや花の入ったデコラティブなものが豊富に売られているので、目的に応じて買い揃えてみて下さい。
4.ウィンナーコーヒー かつてウィーン包囲の際にオスマントルコ兵がコーヒー豆を残して逃げたことをきっかけに、オーストリアでは歴史的にコーヒー文化が根付いています。そんな薫り高いウィンナーコーヒーはもちろん大変喜ばれるお土産のひとつ。オーストリアでもっとも愛飲されているコーヒーが欲しいなら、"Wiener Melange"(ヴィーナー・メランジェ)と書かれているものを選んでみてください。
この他にも、スーパーマーケットで買えるお土産に特化した記事があるので、どうぞご参照ください!
<参照記事>「スーパーで見つける、オーストリアでおすすめのお土産」