歩きながら真空管アンプから出る音を楽しみたい

専用ケース01

スーパークラシック「iPhone用真空管アンプケース」11,550円(税込)アンプは別売です

前回、エレキットのポケットに入る真空管ハイブリットヘッドフォンアンプを紹介しました。コンパクトで、どこにでも持ち歩けるのはもちろん、小型なので、パソコンのスピーカーシステムに組み込んだり、iPhone用のスピーカーを真空管の音で鳴らしたり、といった使い方も可能な、とても楽しいアンプです。実際、ガイド納富は、普段は、このガイド記事でも取り上げた、iPod用スピーカーの大傑作、バード電子の「Studio Ezison」(現在、入手不可)に繋いで、iPod Classicに入れた音をエンドレスで流して、その、ちょっと懐かしさを感じる柔らかく、聴き疲れしない音を楽しんでいます。

しかし、持ち歩こうとした場合、流石に、この真空管アンプとiPhoneをまとめてポケットに入れるのは難しいし、カバンの中でもごちゃついて操作が上手く行きません。これではせっかくのポータブル感が活かせないのです。この真空管アンプの開発中に、既に、その事態を想定した文具王こと高畑正幸氏が考案、スーパークラシックで製品化したのが、「iPhone用真空管アンプケース」です。

専用ケースという存在の意味を再確認出来る丁寧な作り

専用ケース02

ケースは驚くくらいアンプにぴったりのサイズで、最初は出し入れに苦労するほど。この精密感が実は様々な機能を実現している

使ってみるといきなり分かるのは、その、あまりにピッタリ過ぎるサイズの厳密さ。もう、出し入れが一苦労なくらい、本体とケースはぴったりと一体化します。そして、本当にピッタリなのでケースには本体を留める留め具の類いは一切ありません。ただ差し込めば収納完了です。しかも、底部の電池ボックスを取り出すためのネジ部分は、ケースの底に穴が開けられていて、そこから外に出すようになっています。これが、さらにケースと本体の一体感を生みます。
専用ケース03

ピッタリと収納するから、留め具などが不要。また身体に着けた時にケーブルが不要に曲がらないように、奥側の革が高くなっている

もちろん、本体の真空管部分に開けられた穴は、ケースにも開けられています。このアンプに使われている真空管は、ほとんど熱を出さないのですが、念のため開けてある穴です。そして、電源を入れると、この穴から真空管を照らす小さな照明の光が漏れます。それがまた、真空管アンプっぽいムードを醸しだしているので、やはり、このケースに開けられた穴は正解なのです。

アンプの操作感と身体へのフィット感を両立するアイディア

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裏側のループにiPhoneを差し込む仕組み。iPhone5、iPhone4/4Sどちらでも使える

ケースの裏側は、本体より少し高くなっていて、更にその上にD環が付けられています。このD環を使って、ベルトやカバンにカラビナなどで装着し、アンプを腰やカバンに提げる事が出来るようになっています。この、D環が付いている部分が、アンプ本体のフロントパネルよりもかなり高い位置に付いているのも、このケースの心憎いところ。この革の壁があるため、腰などに付けていてもボリュームつまみが回しやすく、また接続したケーブルのコネクタとの接続部分に余分な力がかからないわけです。何気ないアイディアですが、これは試作段階で実際に使ってみないと思いつかないもの。このケースが、如何に丁寧に設計されているかが伺えます。
専用ケース05

iPhoneを入れると、ヘッドフォンアンプ一体型iPhoneの出来上がり。

ケースのアンプを入れた部分の反対側には、iPhoneが差し込めるようになっています。これがまた、大丈夫かと言うくらいiPhoneにぴったりのサイズで、iPhone4Sだとややキツイくらいです(といっても、リアカバーを付けてなければ、ちゃんと入ります)。この状態で、ケーブルとイヤフォンを繋げば、iPhone一体型真空管ヘッドフォンアンプの完成。凄いのは、アンプもiPhoneも、そのピッタリのサイズのおかげで、留め具などを一切使わず固定されていること。だから、余分な出っ張りがなく、腰に付けていても安定し、しかも身体や服やカバンが傷まないのです。

スタンドにもなる革製のイヤフォンリールまで搭載

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イヤフォンのケーブルを巻き取るリール付き。iPhoneを挿すスリーブの端を上手く利用している。

唯一、スナップが付いているのが、前面の覆い部分。実はここは、イヤフォンのケーブルを巻き取るためのリールになっています。使わない時は、ここにイヤフォンを巻いて、スナップで留めてカバンの中に入れれば、次に使う時に、イヤフォンを素早く取り出せるし、ケーブルが絡みません。また、このスナップボタンは革の覆いの下に隠れていますし、外側からは見えない位置で、もちろん体には当たらない表側に付いています。この設計のおかげで、全体のコンパクトさも失われていない訳です。
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リール部分のホックを外して開き、そこにiPhoneを立て掛ければ、スタンドとしても利用出来る

これで、歩きながら真空管アンプで音楽を楽しむという、もう新しいんだか古いんだか分からない、けれど、決定的に面白い状況が実現するのですが、このケースの仕掛けは、それだけではありません。このリール部分を広げて、そこにiPhoneをセットすれば、映画などを真空管アンプの音で楽しむ事も出来ます。つまりケースがiPhone用スタンドになるわけですね。リールのスナップボタンを取り付けるための革の出っ張りをiPhoneの支えに援用したアイディアが見事です。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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無駄なく一体化している。この状態で持ち歩くのが快適

一般に、専用ケースと言うと、単にサイズを合わせて、製品ロゴが入っただけのものが多いのですが、本来、そのケースを使う事で元の製品の性能がアップするアイディアが詰め込まれたものを指す言葉だったはずです。ラジオを肩から下げたいから、革製の専用ケースがあったように、ケース自体が機能を付加するためのものだったはずなのです。この「iPhone用真空管アンプケース」は、それを思い出させてくれます。本当に、いちいち感心するポイントが多く、それでいて、全体にはシンプルで、普通に使いやすく、あまりに使いやすいから、かえって、そこに注がれたアイディアの量と質の膨大さに気がつかないほどです。

でも、何故、こんなにケースに入れるのがキツイくらいのジャストサイズに作ったのか、という事を考えれば、後はズルズルと様々なアイディアが見えてきます。その、作った人が何を考えて、この製品という形になったのかを考えるのも、グッズを使う楽しみの一つ。その意味で、このケースは便利で、エレキットの真空管ヘッドフォンアンプを使うには手放せない製品ですが、それ以上に、作り手の発想を知る面白さに溢れています。おかげで、専用ケースの紹介に2500文字も掛けてしまいましたが、それだけの甲斐がある製品だと思っています。


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