注文住宅/家づくりの流れ・基礎知識

幸せな家づくりにもっとも重要な「家族共通の動機」(2ページ目)

「幸せになる家族が家づくりで実践していること」の中でも、特に家づくりにかかる前の準備段階(何からはじめて、どうやって設計までに至ればいいか)を7つのステップで紹介していきます。今回はステップその2です。

八納 啓造

執筆者:八納 啓造

幸せになる家づくりガイド


書き出すことが苦手な人に最適な方法とは?

「書き出してみましょう」というと、書き出すのが苦手でなかなか進まない方もいます。そういう方の場合は、住宅雑誌や広告などを見ながら、気に入った家の写真などを切り抜き、ノートやスケッチブックに貼り付けてみてください。

例えば、白い玄関門扉の塀に赤いバラが絡まっていて、そこから玄関に至るアプローチ空間の写真がお気に入りだったとしましょう。それをノートに貼り付けるのです。

それ以外にも、

「壁が木で仕上げられたリビング空間」
「金色に光る鋳鉄製のキッチン取手」
「観葉植物の緑色が鮮やかに見える明るいサンルーム」
「レンガタイルが素敵な庭園風景」
「坪庭が見えるお風呂」
「のぼり棒がついているロフト」

など、自分の気に入った写真などを、どんどん貼り付けてみましょう。

そうすることで、理想の家の雰囲気を家族で共有することが可能になります。また、そのノートを見ながら、「私たちは、庭の緑に囲まれながら、家の中は木の香りで溢れ、ロフトからのぼり棒でおりられるような楽しい家が欲しい」など、家族と話し合うことで、動機もより明確になっていくでしょう。

幸せな家づくりを実現している人の共通点とは?

幸せの形は家族の数だけ、人の数だけありますが、興味深いことに幸せな家づくりを実現している人たちには共通点があります。

その共通点とは「家を手に入れる動機の中に家族共通の夢や希望が盛り込まれている」ということです。

「畑付きの土地で泥だらけになりながら、親子の絆を育みたい」
「高校の3年間だけでも一緒に暮らすことで、わが子の思い出になる家にしたい」
「実家のそばに住むことで、わが子にも自分の生まれ育った伝統や風土を受けついでもらいたい」
「街中の通勤時間が短縮できる場所に土地を購入して、家族との時間を長く保てる家を建てたい」
「70歳になってからの建て替えだけど、残りの人生快適で味わい深い日々にしたい」

など、家族共通の夢や希望はさまざまな形で表現できるでしょう。

幸せや夢に繋がる動機とそうでない動機に分けてみましょう

改めて書き出した動機を見てみましょう。それらの動機には、家族の幸せや夢につながるものと、そうでないものがあることと思います。

ここでは、それらの動機をそれぞれに分けてみましょう。また写真を切り抜いたノートで動機を表現していた人も、個人的な動機と家族共通の動機に分けてみましょう。

幸せや夢につながる動機を新たに書き出し、家族で宣言してみましょう

書き出した中から「幸せや夢につながる家族共通の動機」を、2つないし3つに絞っていきましょう。そして、多数決や話し合いで1つに絞り込んで、それを紙に書き出します。出来れば、家族みんなでそれを読み上げてみましょう。

これは、今後家づくりを進める際に、物事を決定したり、悩んだり、混乱した時に立ち戻るべき「軸」になります。

例えば、土地選びの際に、「本当にこの土地でいいのか?」と悩んだとしましょう。その時でも「自分たちは家族で土と触れ合いながら家族の絆を育みたかった」という軸を思い出したとしたら、その土地がその思いにふさわしいかどうかは自ずと見えてきます。

幸せや夢に繋がる動機をぜひ見つけ出し普段から意識してみましょう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます