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スポーツよりアツい!?「文化部」マンガBest3

青春の葛藤と熱気が詰まった文化部マンガを3作ご紹介!

執筆者:坪谷 真樹

運動部に比べて地味な印象が付きまとう文化部。しかし文化部には文化部なりの、強烈な「アツさ」がある!今回は、文化部の活動を通じて思春期の主人公が成長していく小気味よい読後感の漫画を3本ご紹介。

第3位:お茶にごす。

お茶にごす。 1 (少年サンデーコミックス)

 

『お茶にごす。』は茶道部を巡る成長と恋の物語。主人公の舟橋雅也は大きな体と目つきの悪さ、そしてずば抜けた戦闘能力から本人の意図とは裏腹に「最強不良少年」と言われてきた。実は至って平和主義で心根が優しい舟橋クンは、高校デビューを機に「脱不良」を目論む。その第一歩として茶道部に入部するが……。

規範と様式を重んじる茶道の世界とルール無用の不良少年との出会いがミスマッチで面白い。学校生活、部活、そして恋愛と誰もが通る思春期特有の思いと、密度の濃い人間関係が交錯する。脇を固めるヒロイン、姉崎奈緒美や親友の山田航。そして茶道部や隣の部室のアニメ研究会なども個性的。そうした出会いを通じて主人公は暴力以外の方法で次第に人と繋がって行く過程に共感する。

余談だが、個人的には、奥沼民子の弟とのエピソードと、浅川夏帆のキャラクターが個人的には大変印象に残った。最後のエンディングにホッとした。

第2位:とめはねっ! 鈴里高校書道部

『とめはねっ! 鈴里高校書道部』は湘南を舞台に、主人公が書道を通じて成長していく物語。意外と”体育会系”な書道部の日常がコミカルに描かれている。書道監修は武田双雲氏。

主人公の大江縁は赤毛のアンの舞台、カナダのプリンスエドワード島からの帰国子女。一目惚れした望月結希の着替えを覗いたと勘違いされたことから、それをネタに書道部に強制入部させられる。

物語の中では、駅前でコスチュームを着て音楽に合わせて行われる書道パフォーマンスや複数人のグループで一つの文字を一筆ずつ完成させ、その美しさを競うゲーム(?)などが描かれる。書道を楷書の段階で挫折してしまった人には驚きの活動内容だ。

また、個性的な部員達が繰り広げるエピソードにも引き込まれる。我々がなにげなくメモを取ったり、パソコンで打ち込んだりしている『文字』には歴史や芸術としての奥深さがある事、言葉が単なる伝聞の手段だけでは無い事を再認識させられた。役割を超え、進化を続ける『書の道』の今。熱い物語に思わずもう一度書道を学びたくなった。

第1位:ましろの音

『ましろのおと』は津軽三味線に青春をかける、主人公澤村雪を描いた青春ストーリー。子供のころから不世出の名人奏者である祖父松吾郎の元で三味線の音に親しみながらのびのびと育った主人公の雪。祖父と兄と自分との閉じられた世界で、自らも三味線を学びながら成長した。しかし、祖父であり師である松吾郎を失った事によって、雪の三味線は目指すものを失い、危うくゆらぐ。

それをかき消すように東京へ自分の音を探しに上京した雪は、導かれるように津軽三味線愛好会に入会する。そして、祖父松吾郎の音との再開。運命に導かれるように、次々と出会いを繰り返し、奏者として成長する雪とそのドラマチックな物語の展開と小気味よいテンポにグイグイと物語の中へ引き込まれる。紐解かれていく祖父の残した名曲『春暁』に込められた物語や愛好会で臨む事になる息を飲むような展開を見せる津軽三味線甲子園。一つ一つのエピソードを通して一人前の奏者への階段を登って行く雪に心からエールを送りたくなる!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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