病気のときはなおさら何度も通院することになるでしょう。迅速な治療を受けられるために、今回もいくつかのポイントを挙げておきました。「実践編」とともにどうぞお役に立てて下さい。
1 ペットの日頃の体調をよく把握しておく
あなたは毎日愛犬・愛猫とよく接していますか? 飼主さんのお話を伺っていて驚くことは、日常の接触時間が長い方は、驚くほど観察が鋭いことです。そのため病気も早く発見され、重篤にならない間に治療が始められます。当たり前の話ですが、正常な状態を知っているからこそ、異常なときに早く気づくことができるのです。どうぞ日常できるだけ愛犬・愛猫を触ってあげてください。
2 情報はできるだけ多く出す
はじめての病院に行ったら、今までの病歴や交通事故にあったことがあるかどうか、などをできるだけ詳しく話してください。情報が多く、正確であればあるほど治療が早くなります。要点を手短に、わかりやすく獣医師や動物看護士に説明してください。また、以前の病院で受けた検査の結果や薬の袋も、場合によってありがたいデータになります。一応何でもお持ちになってください。飼い主さん側から見ればただの紙切れでも、獣医師側からみれば治療方針を左右する貴重な情報源になるものがたくさんあります。
例えばワクチンを受けた証明書があれば、その病気を可能性から除外することができます。ワクチンの含まれる伝染病はかかっていないという前提で、病名を絞りこめるのです。データが少ないと検査を最初からからやりなおすことになり、費用もかかってしまいます。治療費の節約になる場合も多いので、ぜひできるだけ多くの情報をお持ち下さい。
3 正確な情報を伝えよう
もし何らかの異常で動物病院にいらっしゃるときは、下記のような情報を教えていただきたいと思います。最低限必要な情報とは、
- いつから飼っているのか?
- 仔犬または仔猫のときから飼っているか?
- 餌はどんなものを、一日何回与えているか?
- 食事の量はどれくらいか?
- 飼っているのは屋内か屋外か?
- 他にペットがいるか?
- 今まで病気になったことがあるか?
- 今まで事故にあったことがあるか?
- 異常に気づいたのはいつからか?
4 気づいたことはメモにして持参する
動物病院にいくとき、こんなメモがあればありがたいです。飼主さんの几帳面さが出ていますね。
記録内容としては、
- 何をどれくらい食べたか?
- 水はどれくらい飲んだか?
- 薬は全部飲んだか?
- 排尿・排便はあったか?
「元気そう」とか「昨日より調子がよい」など、数字で評価できないデータは書かないで下さい。あくまで客観的に、水や食事の量を記入してください。治療が始まっても、できるだけ記録をつけて下さると、これも獣医師にとってありがたいデータとなります。
写真はある飼主さんが書いてお持ちくださったメモです。客観的な観察と数字に感動しました。ぜひこんな「できる飼主」を目指してください。