そもそも、テーマファンドってなに?
投資信託は、何に投資するか(What)、どこに投資するか(Where)で、そのカテゴリーがわけられています。日本の株式に投資するなら国内株式型投資信託ですし、海外の債券に投資するなら海外債券型と呼ばれます。海外の不動産に投資するなら国際REIT(リート)型ですし、商品(金、食糧、エネルギーなど)に投資するならコモディティとなります。
テーマファンドとは、そうした基本的なカテゴリーではなくて、タイムリーなストーリーに注目して、特定のセクターに投資するファンドです。
以前流行したのは、インターネットや情報通信に関連する企業に投資するITテーマファンドや、天然資源やエネルギーに注目する資源テーマファンドです。最近では、企業の社会的責任への取り組みに着目するSRIファンド(社会的責任投資)や、水資源関連に投資するウォーターファンドなどが設定されています。
テーマファンドに投資する人は、世界全体や経済全体に対する投資と違って、こだわりのある投資による満足感が得られますし、読みが当たれば高いリターンが得られます。しかし、狭い分野に集中投資をするので、的を外すと平凡以下のリターンになってしまうというリスクがあります。あまり長期間放置しておけるファンドでもありません。
運用成績の上位にいるテーマファンドは?
さて、話を現在に戻して、直近の国際株式型ファンドのリターンランキングをご紹介します。1位 フィリピン株ファンド
2位 トルコ投資F
3位 フィリピン・フォーカス
4位 損保ジャパン・フォルティス・トルコ株式
5位 ライジング・トルコ株式
6位 UBPトルコ株式
7位 タイ株式指数連動型上場投信
8位 ワールド・ゲノムテクノロジーBコース
9位 JFアジア・オセアニア高配当株式ファンド
10位 ダイワ・アセアン内需関連株ファンド
11位 日興新時代アジア株式ファンド
12位 ピクテ・バイオ医薬品F
13位 ダイワ・オーストラリア高配当株ファンド
14位 シュローダー中東/北アフリカ・ファンド
15位 LM・オーストラリア高配当株ファンド
※モーニングスター調べ、2013年4月30日時点の過去1年間のリターンによるランキング。
純資産10億円以上のファンドが対象。DC(確定拠出年金)、SMA(ラップ口座)を除く。ファンド名は略称。
以上のランキングから読み取れることが二つあります。
一つは、上位ファンドのほとんどがアジア株式関連であること。もう一つは、同種類のテーマファンドが上位に食い込んでいることです。その二つのテーマファンドとは、8位のワールド・ゲノムテクノロジーと12位のピクテ・バイオ医薬品ファンドです。
これらは、いずれも医療ヘルスケアという分野に特化したテーマファンドです。良い成績を出しているテーマとは、医療ヘルスケア!ということが明白です。
さて、二つのファンドの中身を、次のページで具体的に見てみましょう。