分けてはいけない家計は「貯蓄」と「生活費」
今度は「まとめる」を考えてみたい家計のポイントです。日常生活費については、基本的にひとつの家計を心がけるべきです。もちろん「いつも割り勘にしたり、どちらかが負担したら半額請求する」のようなルールを設けてもかまいません。ただし按分割合に「6:4」や「7:3」のような微妙な割合は設定しにくく、何か工夫が必要です。
先ほど説明した「固定費」をどちらかが多く負担することにより、年収の違いを気にせず「食費等は半額ずつ出し合う」に調整するのがオススメです。食費や日用品はいつも女性が買う共働き家庭などは、固定費は全額夫の財布から、日常生活費は全額妻の財布からのように「分ける」手もあります。
いずれにせよ、こういう検討をしたいと思えば「日常生活費はどれくらいかかっているか」を把握し共有することになりますので、必ず「まとめる」効果が生まれます。1カ月の家計簿データを用意しておくと検討はスムーズです。
また、「貯蓄」については共同戦線を張ることがとても大切です。どちらも年収の一定比率を目標としてお金を貯める方法を考えるといいでしょう。「固定費」や「日常生活費」についてどちらかが多く負担している場合にのみ、片方の貯蓄ノルマを重い負担とします。貯蓄も実行するのはしんどいことですから、どちらもその重みを背負っていくほうがいいでしょう。最初に「女性の年収は全額貯金」をオススメしないといったのもそのためです。
結果として言えば、こちらも口座とリンクする関係で「分ける」取り組みになりますが、「目標と現状把握は必ず“まとめる”」ことが必要です。それぞれが勝手にマイペースでお金を貯めて、住宅購入の頭金や子どもの学費準備が進むとは考えないほうがいいでしょう。老後のための財産作りなどは目の前の生活をガマンし節約した分が老後の積立になったりしますので、夫婦で意識を共有し「まとめる」ことが必要です。しっかり話し合い、誰の口座に毎月どれだけの積立が行われるか確認しておきましょう。
定期的に(たとえば年末など)に、資産形成の状況がどのくらいにステップアップしたかお互いに申告しあったりして、クロスチェックを行うことも忘れずに実行したいところです。
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夫婦の口座、「まとめる」と「分ける」術についてお話ししてきましたが、最後の口座はどちらかの銀行口座などに振り分けなければならないので、その前の「意識共有」の部分をしっかりまとめることが大切です。そのためには夫婦でお金についてしっかり話し合うことが必要です。
お金について話し合うことを、私たちは慣れていません。しかし、家庭の幸せは経済的安定なく実現することはありません。毎日話し合う必要はありませんので、一度じっくり検討してみてください。
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