さて、前回は「動物病院はまず歩いていける距離にあることが大切」とお話ししました。今回はそうして絞り込んだ動物病院のどこを見ればよいかについてお話ししていきます。
ぜひチェックしていただきたいポイントが3つあります。
ポイントその1・病院の内外は清潔か?
写真はアビシニアン種の子猫です。小さい間は目が離せないのは人間の子も猫の子も同じですね。
そして治療を受けている間に、検査機器や測定器具にも目を光らせましょう。先に使った検査キットや採血チューブがいつまでも置いてあるのも問題です。こうしたものもすぐ処分されていることをチェック。
また、待っている間に待合室も注意してみてください。犬や猫の毛が飛んでいないか、不快な臭いがしないか、など要チェックです。
あまりに狭い待合室もストレスがかかりますので問題です。待つ時間は季節によって、意外と長くなるかもしれません。ほどよい距離を置いて、飼主さんとペットが無理なく待てる配慮のある病院をおすすめします。
ポイントその2:病院内をすべて見せてもらえるか
次いで、入院や施術施設のチェックです。管理が行き届き、清潔であれば動物病院はどこを見ても大丈夫なはずです。特に入院室・手術室が整理整頓され、清潔であるのは大切な基準です。「うちの子も入院するかもしれないので、入院室を見せてもらえますか?」と聞いてみましょう。もちろん伝染病のペットの入院があったり、忙しい時間帯だったりという理由で断られることもあるでしょうが、ガラス越しに入院室が見られるように設計されている病院もあります。
見せてもらえる機会があれば、ケージの清掃が行き届いているか、入院中のペットのシーツがよく取り替えられているかも観察して下さい。
最近の傾向として、「おしゃれ」なイメージを非常に重視している病院があります。よく手入れされた高価なペットを連れて、ご自分もファッショナブルにきめて、おしゃれな動物病院に行くのが好きな飼い主さんの好みに対応して、病院やスタッフまでファッショナブルになってゆきます。
しかし、動物病院本来の仕事は動物の病気を治すこと。飼い主がチェックすべきはまず「清潔さ」であることをお忘れなく。
最後に、ちょっと意地悪ですが、病院の裏も見られたら見てみましょう。清潔な病院はどんな場所も常に清潔です。
ポイントその3:スタッフの資格を確かめよう
次にチェックすることは、「ちゃんとした資格のある人が仕事についていること」です。獣医学医療も複雑になり、高度な技術や知識が必要となっている昨今、医療補助者にもそれ相当のスキルが求められるようになっています。最近は動物看護士の専門学校も増え、教育も行き届いてきました。残念ながら動物看護士はまだ公的資格ではありません。各専門学校がそれぞれの基準で認定している資格です(統合の動きもあります)。しかし、最低2年の教育のあるなしは大きな差があります。
大切なペットを預けるのですから、資格のはっきりしないスタッフに世話をされるのはやはり困りますよね? その意味で、「スタッフが役職と名前を書いた名札をつけているか?」は大切な判断基準です。また、スタッフの持っている資格が待合室などに表示されているかもひとつの指標です。
ということで、今回のチェックポイントは、
- 待合室にいやな臭いがしない・毛が飛んでいない
- 使用済みの注射器や検査キットなどを残していない
- 医療廃棄物をきちんと処理している
- 診察台を治療の度に消毒している
- 入院室のケージの掃除が行き届いている
- スタッフが資格を持ち、名札をつけている