キラ星のごとく輝くデザイナー : 倉俣史郎
皆さん、「倉俣史朗」さんをご存知でしょうか?僕の記事で何度も取り上げた世界に誇る日本人デザイナーの一人です。
残念なことに倉俣さんは1991年2月に他界され、すでに22年の歳月がながれている。記念の年になると各地で回顧展や記念展が開催され、その都度倉俣さんのデザインや思想がクローズアップされる現在でもデザイン界でキラ星のごとく輝く存在のデザイナーである。
倉俣さんは1960年代初頭から1991年他界される迄数多くの仕事をされている。
建築、インテリア、ディスプレィ、建築備品、建材、家具、照明、時計、テーブルウェア、化粧品パッケージ、バック、オブジェ等多岐にわたる対象に次から次へとデザインという魔法をかけ、私たちを魅了し続けた。そう、まるでマジシャンのように。
僕と倉俣さんの出会いは、現役のデザイナーとしてご活躍されている真っただ中、後輩の指導として教壇に立つ為に美術大学(東京造形大学)にいらした時だった。
当時造形大学には室内建築(Interior Architecture)という日本には珍しい専攻があり、そこの講師としていらした倉俣さんにその専攻の美大生だった僕は、当時大変驚いた記憶がある。
モンドリアンとリート・フェルト、そしてシロー・クラマタ
実は、倉俣さんとの出会いはさらにさかのぼって美大生になる以前の高校生。進学校であった高校では将来建築家か、美術教師を目指し美術倶楽部に所属し絵画に傾倒していた。
特に抽象絵画が好きでオランダの画家ピート・モンドリアンのコンポジションシリーズは大好きだった。
美術室の資料本の中にあるモンドリアンの作品を見入っていた時、とてもショッキングな画像を見つけた。いや、当時はそんなにショッキングではなく『ふ~ん』程度だったかな。
それは、まるでモンドリアンの絵画がそのまま立体になった椅子の様なものだったが、「へぇ~、世の中にはこんな作品を作る人もいるんだぁ」と、そんなに気にもとめなかった。
「RED&BULE レッドアンドブルー」(1918年)ゲーリット・トーマス・リートフェルト[Gerrit Thomas Rietveld] RED&BULEは、赤と青で彩られ、水平、垂直、直線による抽象的な立体構成が特徴。
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