保健師/保健師の就職事情

保健師の就職に関するエピソード(2)(2ページ目)

私が取材してきた若手保健師たちの就職活動に関するエピソードをご紹介します。これから保健師を目指す方たちの参考になればうれしいです。

西内 義雄

執筆者:西内 義雄

保健師ガイド


移動距離500km超の就職活動

Eさんは、大学卒業後に近隣の大学病院で看護師として就職するはずでした。ところが、保健師の国家試験に合格したのに、肝心の看護師試験に落ちてしまいました。これでは看護師として働くことはできません。結局、就職先が見つからず卒業してしまい、なんとか働く場所をとハローワークで探したのが、実家の隣町で募集していた臨時保健師でした(*当時は看護師国家試験に不合格でも保健師として働くことができました)。

臨時で働いている間、この職場がとても気に入ったEさん。しかし臨時では給料も心もとないし、翌年の正職員求人も出ない。やはり正職員を目指そうと、県外の社会福祉協議会で保健師となるも、入ってみれば仕事内容がどうしても訪問介護中心で保健師業務ができない。仕方なく年度途中で退職し、別の町で募集していた産休代理の保健師として勤務しながら翌年度の正職員求人を待つも、なかなかよい話が出てこない。

思案を重ねた末、最初に働いた実家の隣町に戻り、再び臨時職員で働きながら求人を待ち1年。そこでの求人は出なかったものの、実家のある町で求人が受験。ようやく正職員になることができました。

この間の移動距離は500km超。時間にしておよそ3年。よく諦めないで頑張ったと拍手を贈りたい気分でした。

実習がきっかけになった例

Nさんは、離島の看護師になることが夢でした。なので、学生時代の看護実習先が自分で選べるスタイルと分かると、迷わず小さな島を選んで飛び込こみました。すると自分が思っていた通り、人が身近で自転車に乗りながら島を周りながら、すれ違う人たちに声掛けしながら活動することがとても楽しい。こんなところで看護師として働きたいと思っていたところ、受け入れ先の担当者から、「うちは保健師が足らないのです」との話を聞きました。

実習を通してこの島をとても気に入ったNさんはよく考え、自分はまだ看護師としてのスキルは身に付いていないけれど、保健師としてなら島の要望に応えられるかもと決意。実習が終わると、
「私、この島の保健師になりたいです」
と宣言。その後、あらためて就職したいとの気持ちを伝えると、とんとん拍子に進み採用に至りました。

さて、参考になるお話はあったでしょうか? 就職活動真っ最中の皆さん、ぜひ諦めずに頑張ってくださいね。
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