死亡保険金のかけ過ぎはNG!チェックの仕方とは?
死亡保険金のかけ過ぎは、どうしてNGなのでしょう? 理由は2つあります。1つは、たくさん保険金をかけていれば、当然、保険料は高くなり、必要以上にかけ過ぎている分の保険料はムダ払いになること。保険は一般的に何十年にも渡って保険料を払う契約なので、かけ過ぎの期間が長くなるほどムダ払いの保険料は膨らんでいきます。保険料のムダ払いを防げば、その分、貯蓄額を増やせたり、他のことにお金を使えることになります。
そしてもう1つは、かけ過ぎの状態で万一のことがあると、たくさんお金がもらえて、遺族は今以上の生活ができてしまいます。つまり、亡くなった方がいい生活ができるということ。保険は、あくまで今の生活レベルを維持することが目的なので、モラルハザード(例えば保険金殺人)を招くかもしれない保障プランにしてはいけないのです。
かけ過ぎかどうか、つまり、適正な保険金額かどうかは各家庭の事情で異なります。考慮する事情は下記の4つです。
●子どもがいるかどうか
子どもがいる家庭は、子どもの養育費と教育費を死亡保険金額に反映する必要があります。
●夫の職業
夫死亡後は、公的年金から遺族年金が支払われるようになりますが、会社員と自営・自由業では年金額が異なります。その違いを死亡保険金額に反映します。ちなみに、会社員の方が年金額は多くなります。
●妻の職業
夫の死亡保険金額は、妻に収入がなければ多く、収入があれば少なくします。
●住まいの形態
住宅ローンを借りてマイホームを買うと、夫に万一のことがあっても、残りの住宅ローンは団体信用生命保険で返済されるので、死亡保険金額は少なくても大丈夫です。賃貸住まいの家庭は家賃の支払い分を考慮して、死亡保険金額を多くする必要があります。
では、皆さんの家庭がかけ過ぎかどうかを判定してみましょう。下の表で、子どもの有無、夫の職業、妻の職業を確認して、判定表の番号は何番になったか覚えておいてください。
あなたの家庭は判定表のどの番号?
ちょうどいい保険金額が一目でわかる!
上段で確認した判定表の番号は何番だったでしょうか? 下表で、その番号のところを見てください。そして、住まいの形態別の夫と妻の金額を確認してみましょう。その金額が皆さんの家庭の事情に見合ったちょうどいいサイズです。上表の金額より多かったら、かけ過ぎです。かけ過ぎている分を減額しましょう。保険金額の減額の方法は主に2つ。今の保険の定期保険特約などの死亡保障の特約を減額(一部解約)することと、ちょうどいいサイズの保険金額の定期保険か収入保障保険に入って今の保険はやめてしまうことです。
なお、判定表では保険金額だけを提示していますが、死亡保障はカバーする期間(必要保障期間)も重要です。子どものいない家庭は、夫・妻それぞれが自分のお葬式代程度を用意しておけばいいので、10年~15年程度でいいでしょう。お葬式代は貯蓄から出せるようになったら、保険をやめても構いません。専業主婦の妻は、夫が死亡したら、収入を得るために働くようにしましょう。子どものいる家庭は、子どもの養育費と教育費をカバーするのが主な目的なので、子どもが独立するまででいいでしょう。
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