ポイント1)相場と比べておく
【表1】2012年初任給水準(金額:円、上昇率:%)は全区分においてほぼ横ばい(出典:(社)日本経済団体連合会) ※大学院卒は修士卒
自分の給与と初任給の相場とを比べておきましょう。多い少ないと一喜一憂をするのではなく、自分自身の収入が平均データとどのように違うかを知ることが大切です。できれば、常に自分の収入と平均の動きを確認しておきたいですね。
今後大きなお金が動く結婚やマイホーム取得などの時、自分の収入に応じてプランニングしたいものです。初任給からそのアンテナを張っておきましょう。
ポイント2)給与明細を読み解く
給与明細書には大切な情報が記されています。社会人として明細書の読み方をマスターしておきましょう。図1は給与明細の一例です。会社によって書式は変わりますが、書かれている内容はほぼ同じです。
(A)就業項目の欄には、働いた実績が記されています。出勤や欠勤、残業や有給休暇などの情報です。残業などは前月締め分が記されていることが多いもの。初任給では関係ありませんが、今後はチェックするようにしましょう。これらの情報を元に給与額が決められます。
(B)支給項目は、支給額の内訳です。基本給は年齢や経験年数によって決まるもので、給与の基本となるものです。初任給の場合はこの基本給が支給額の大半を占めているのではないでしょうか? 募集要項にあった初任給欄にも、この基本給が書かれている会社が多いようです。
他にも手当などの欄があると思います。時間外手当は先月分の残業代に対しての支払いです。他にもどのような手当があるかをチェックしておきましょう。
ポイント3)控除されているものは?
給与明細書でじっくり見ておきたいのが、控除項目(図1の(C))です。支払われた給与からこれらの名目で控除され、残りが手取り金額となります。この控除が多くなればなるほど手取りが減るということになります。控除の内容や金額を毎回チェックする習慣をつけておきましょう。所得税と住民税は所得に対する税金です。所得税は国に納めるもので、給与の額に応じて源泉徴収されています。住民税は住んでいる都道府県や市町村に納めるもので前年の所得に応じて納めるものです。
また、社会保険(年金保険、雇用保険、健康保険、介護保険)も確認しておきましょう。年金保険(厚生年金)は、サラリーマンとして支払う年金保険料です。厚生年金は国民年金の上乗せという位置づけです。国民年金にも加入していることになっています。雇用保険は失業時などに手当が支給されるもの。健康保険も給与額に応じて保険料がひかれることになります。40歳以上になると介護保険料も控除されますよ。
他にも、会社独自の組合費や個人の支払い(社員食堂代、個人で加入した生命保険料など)が控除される場合もあります。
初任給では控除されずに、来月や翌年から控除が始まるものがあります。ということは、初任給よりお給料が下がることもあるということ? 次のページで説明します。