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タイルの特長と分類

建築の意匠として使われることの多いタイル。そのタイルの魅力をお伝えさせていただきます。

原田 正史

原田 正史

思いやりの家づくり ガイド

一級建築士

学生時代から建築設計事務所を渡り歩き、数々の設計をこなしてきた建築家が、住む人に優しい空間づくりのためのヒントを解説します。

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普段街を歩いていると、思わず目を奪われる建物や、写真を撮りたくなる建物などに、出くわしたことはないでしょうか。それは建物の形であったり、建物を覆うお化粧材であったり、体感したことのない空間であったりします。

今回は、建物を覆うお化粧材の中でも、多く利用されているタイルに焦点をあてて、建築マニア・タイルマニアの方にも詳しく、魅力をお伝えできればと思います。

まず今回はタイルの特長と分類についてです。
 

タイルの特長

土を素材に持つタイルは建物のお化粧材として優れた性能を持っています。耐久性があり、耐熱性、耐火性もあります。また酸性雨やアルカリなどに対しても変質しにくい性質をもっています。このようにメンテナンスフリーに近い材料でありながら、かつ色や形状、材質感においても多数の種類が出ています。
 

タイルの分類

タイルの分類はタイルが水を吸う割合、いわゆる吸水率において、分類されています。 いままでは磁器質タイル、せっ器質タイル、陶器質タイルというふうに、タイルを焼く温度やタイル自体の質により区分されていましたが、国際化にともない、いまでは吸水率によりI類、II類、III類というふうに分けられています。

I類 吸水率3%以下
磁器質タイルとせっ器質タイルの一部が該当します。 
高温で焼きしめるのでタイルの中では硬い部類で、たたくとカンカンとかキンキンとかの高音の金属音がします。

 

磁器質タイル

磁器質タイル

 

II類 吸水率10%以下
せっ器質タイルと陶器質タイルの一部が該当します。 
そのタイル自体に明るい黄土色や濃い茶色などの色が多いです。
せっ器質タイル

せっ器質タイル


 
III類 吸水率50%以下
せっ器質タイルの一部と陶器質タイルが該当します。
低温で焼くためタイル自体が柔らかい風合いになります。たたくと濁音を発し、硬さも磁器質タイルほどなく吸水もするので、外壁にはあまり使われません。特に寒冷地では、屋内であっても洗面室等、吸水して凍結して割れるおそれがあるので、使用されるときは水がかからないようにするなど、注意する必要があります。
陶器質タイル

陶器質タイル

 


次ページでは、タイルを焼く時の温度のことや、陶磁器以外のタイルのことをご紹介します。 
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