ジュディ・オングの代表曲「魅せられて」
もう女という生き物を前面に強調したかのような歌詞で、とても衝撃を受けた曲です。私がこの曲を知ったのは、ジュディ・オングが40代前後の時でした。女性として、色々な恋愛を重ねてきた年頃で、より歌に磨きがかかったような艶のある声が印象的でした。その声で、「女は海」と気持ち良さそうに歌うジュディ・オングの表情がまた美しく、憧れました。「私の中でお眠りなさい」という上から目線的な歌詞や、「好きな男の腕の中でも違う男の夢を見る」という女性の本心を書いた歌詞が堪りません。
歌詞を全部聴くと、大人の女性の気持ちを見事に書いてあり、関心してしまいます。その歌詞に、更にあのジュディ・オングの澄んだ声で歌うので、もう幻想的な夢の中にいるような気分になってしまうのです。
何よりもインパクトがあるのは、真っ白なロングドレスを着こなし、腕には大きな翼を広げながら高らかに歌う姿です。白鳥のような、気高い蝶のような姿にも見えて面白いなとますます感心します。
ジュディ・オングの歌い方には、日本人にも真似できないほどに繊細で素敵な魅力があります。美しい声と、更に整った完璧な美しい顔が、この曲にぴったりだなと感じます。
何年経ってもこの曲は、新鮮に聞こえるのも感心します。美しすぎると怖くなるという詞も、男を虜にするような格好良い女性だなと思います。丁度、女性が社会に進出してバリバリと働くことが多くなった70年代の時代を、この詞に表したかのような曲で、知的で素敵な曲だなと思うのです。