つかれた大人たちに、ひと時の夢をみせてくれる名曲
ゴダイゴさんのこの曲をはじめて聞いたのは、堺正章さんが孫悟空をやり、今は亡き薄倖の佳人夏目雅子さんが玄奘三蔵法師にふんされた、ドラマ「西遊記」のエンディングです。再放送だったと思いますが、夕方5時からテレビでやっていたこれを見るために、学校から飛ぶようにして家に帰ったものです。「そこに行けば どんな夢も かなうというよ」
「旅立った人はいるが あまりに遠い」
こうして歌詞を見返してみれば、生きるのに飽いた老人が、血気盛んな若者(馬鹿者と同義語かもしれませんが)に教えさとしているようですね。当時、孫悟空になって筋斗雲で空を飛びまわりたいとのんきに夢見ていた小学生のわたしは、気づきもしませんでしたが。
ゴダイゴの方たちがどんな想いをこの曲に託しているのはわかりませんが、少なくとも子供向けではない。そんな気がします。
「どこかにあるユートピア(理想郷)」を追い求めてやまない人々、現実につかれた大人たちに、砂漠の蜃気楼のように儚いひと時の夢をみせてくれる。
わたしにそう思わせる曲で貴方も、ひと時、羽をやすめてみませんか。