中国株/中国経済からみる中国株の行方

中国株が急ブレーキ!今後は!?

好調な日本株や米国株を尻目に中国株にはブレーキがかかり、株価は調整基調に。この原因は中国の経済政策が引き締め方向に転じていること。そして今後についても中国政府の政策次第となります。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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中国株に急ブレーキ!今後は!?

中国株に急ブレーキ!今後は!?

中国株に急ブレーキ!今後は!?

好調な日本株や米国株を尻目に中国株にはブレーキがかかり、株価は調整基調となっています。下のチャートは香港H株指数(香港に上場している中国企業を総称してH株と言い、香港H株指数は、その銘柄群を象徴する代表的株価指数)の推移です。これまでの推移を見ると、2012年11月に50日移動平均線が200日移動平均線を上に突き抜けるゴールデンクロスが発生して中期的に上昇相場に転じており、現在も200日移動平均線は上向き、そして株価もその上に位置して上昇相場が続いてはいます。しかし、2013年1月末をピークとして2月~3月は大きく調整してきていることがわかります。ちなみに2012年も年初の急騰のあとに急落し、その後200日移動平均線を株価が下に突き抜けたあと、50日移動平均線が200日移動平均線を下に突き抜けるデッドクロスが発生して株価は6月まで大きく下落していきました。
香港H株指数は2013年2月から調整基調に入っている

香港H株指数は2013年2月から調整基調に入っている

米国では2012年から超のつく金融緩和が進んでおり、2012年末からは日本でも超金融緩和が行われる意向が伝えられ、これらが金融相場を巻き起こし、株価上昇のキッカケとなっています。そして実は香港H株を含む香港株も米国の金融緩和に乗って2012年後半から株価は上昇していたのです。なぜなら香港の通貨である香港ドルは米ドルにペッグしているため、米ドルで金融緩和が行われれば、香港でも自動的に金融緩和が行われるため香港でも金融相場が発生したのです。

中国の経済政策が引き締めに転じている

ところが香港株は2013年2月から調整が始まっています。これは何が原因かと言いますと中国の経済政策が引き締め方向に転じていることです(ちなみに2012年前半の場合は中国経済のスローダウンが伝えられ、株価下落のキッカケになりました)。中国の経済政策が引き締めに転じていることは次の2つからわかります。

1つは不動産引き締め策が相次いで発表されていることです。不動産市況は経済に大きなインパクトを与えるため、不動産市況が悪化すると経済も低迷してしまいます。先進国の金融緩和や中国自体の昨年後半の緩和方針により、中国の不動産価格が上昇に転じています。中国ではまだまだ自宅を持っていない人たちが多数おり、不動産価格の上昇は国民の不満につながるため、中国政府はそれを非常に気にしており、不動産価格の上昇に対しては敏感に対応を行います。一番大きなインパクトがあった政策は、1つは住宅価格が急上昇している一部都市で2軒目の住宅購入時の住宅ローンの頭金比率と金利を引き上げると発表されたこと。もう1つは住宅販売にかかる利益をめぐる個人税20%を厳格に執行するよう指示されたことです。

中国の経済政策が引き締めに転じているとわかる、もう1つの事象は、人民銀行が公開市場操作を通して資金を吸収していることです。当然ですが、これは経済が加熱しているときに、経済を冷ますことを目的としてとられる手法です。

>>それでは今後の中国経済、中国株はどうなるのでしょうか?次のページではその真相に
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