ランドローバー/ランドローバー

SUVの王者、新型レンジローバーの世界(2ページ目)

40年にわたり愛されてきたレンジローバーが、4代目にスイッチした。ボディサイズを拡大しながら、オールアルミニウム製モノコックボディにより大幅な軽量化を果たしている。ファンの多い憧れのニューレンジの魅力を探った。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

使いやすくなったインパネ

レンジローバーインパネ

上質なインテリアは当然だが、先代よりもスイッチが整理され、操作しやすくなったのは朗報


インテリアはもちろん上質で、T字型のインパネはとくにコンソールが先代よりもすっきりした。メーター左側に配置されるプッシュスターターを押すと、レンジローバー・イヴォークと同じようにダイヤル式のセレクターレバーが上昇してきて操作できる。オフにすると下降してコンソール面と同じ高さにすっきりと収まる。

レバー式のパーキングレバーを解除して走り出すと、510ps/625Nmものハイパワー、圧倒的なトルクを誇るとは思えないほど、スルスルと静かに動き出す。スーパーチャージャー搭載車の鼓動としては、アイドリングもかなり抑えられているが、よく聴けばそれでもわずかに鼓動の高まりを抑えきれない音と振動が感じられて、オーナーになる方にとっては能ある鷹は爪を隠すようで、それはそれで満足できるサウンドに感じられるはずだ。

あくまでジェントルに振る舞える

エンジン

5LのV8スーパーチャージャーは510ps/625Nmを誇る


アイドリングストップは備わらないため、信号待ちの際には僅かに聞こえる鼓動を感じながらアクセルを踏み込むと、ZF製8速ATは矢継ぎ早にシフトアップし、低い回転域を保とうとする。普通に踏んでいる限り510psのモンスターとは思えない、ジェントルな動きをする。

100km/h走行時の回転数は約1500rpmで、およそ速度感の乏しい世界が室内に広がる。70km/hくらいかなとメーターを見たら100km/h出ていたのか! と驚かされるほどだ。これならアダプティブ・クルーズコントロールも使えば、高速ロングクルージングも疲れ知らずで難なくこなすだろう。

それでも高速道路で床まで踏み込もうとすると、ペダルを踏みきらなくても怒濤の加速で空気を切り裂いていく。Aピラーがより寝かされた角度になり、やや全体に丸みを帯びたスタイリングになったが、4代目レンジローバーが最も空力も意識したデザインを採用し、Cd値は10%向上の0.34を実現している。

なお、0-100km/h加速は、5.0LのV8 NAで6.8秒、今回試乗した5.0L V8スーパーチャージドで5.4秒を誇るが、これはカイエンターボの4.7秒やメルセデス・ベンツの4.8秒には及ばないものの速さに不足があろうはずもない。

また、軽量化により燃費も向上し、NAモデルのJC08モード燃費は5.8km/L、スーパーチャージャー仕様は5.3km/L。今回は約87kmとあまり距離を走れず高速道路が半分、一般道が半分程度だった。あくまで参考燃費だが約6.6km/Lだった。年度末の渋滞に遭遇し、高速でもやや飛ばしたので普通に走る分にはもう少し伸びるかもしれない。

次ページは、新型レンジローバーの世界について
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