ミッドセンチュリーからナチュラルへ
今回、「インテリアストリート」を歩いてみて感じたことは「ミッドセンチュリーから北欧デザインを経て、ナチュラル感のある家具が多くなったな」ということでした。2000年代初頭は、ある種の「チェア・バブル」的な現象があり、雑誌でも頻繁にデザイナーズ椅子特集が組まれていた時期です。椅子専門の雑誌も創刊されていました。
しかし、今では、それも一通りの落ち着きを見せており、椅子やインテリア雑貨も個人の感覚で選ぶ時代になっています。
今回、「インテリアストリート」の家具たちを見て、トレンドがデザイナーズ家具からナチュラル感のあるもの、安価で名もない中古家具、手作り感覚の椅子、逆に高価なアンティーク家具など、多様化している印象を受けました。
自分の目を信じる時代
今は、家具をはじめ、さまざまなプロダクト製品は、デザイナーの名前やブランド、価格で判断する時代でなくなったのかもしれません。消費者=エンドユーザーの「モノを見る目」が確実に上がってきており、「好きか嫌いか?」「可愛いか可愛くないか?」などの、それぞれの価値判断でモノを選んでいる感じがしました。
つまり、「アマチュアの時代」です。プロのコーディネーターやデザイナー、プランナーなどに選んでもらわなくても自分で見て確かめて、しっかりとチョイスしている感じを受けました。
「自分の部屋は自分でプロデュースする」そんな時代なのかもしれません。これは、プロフェッショナルにとっては脅威ですが、住宅でも飲食店のインテリアでも、良い意味での「アマチュアリズム」が台頭してきていると言えるでしょう。
こうした現象は、今までプロ任せだったインテリアコーディネートに変化をもたらすかもしれません。ですが、エンドユーザーの人々は自分の感覚を信じていいと私は思います。そのほうが、より、自分にとって心地よい空間を作れるのですから。
そんな印象を強く持った、今回の「インテリアストリート」めぐりでした。