かつて隠田川が流れていたキャットストリート
裏路地を抜けると、キャットストリートに出た。猫が多くいたので、命名されたキャットストリートは、かつては隠田川という川だった。おっと、こんな看板があった。「上の通りに抜けられます」とある。そうそう、かつて川だったキャットストリートに対して、土手のような道があったのだ。
こんな看板を見て、ニンマリしているのは僕ぐらいだろうか。永井荷風の小説『墨東綺譚』(実際はさんずいに墨)の舞台となった私娼街「玉の井」の入口にあった「抜けられます」の看板に似ている。このビル内の階段を上がると上の道に出られるようだ。
というわけで、あがってみた。キャットストリートから一本東側にあるこの通りは「神小通(じんしょうどお)り」というようだ。住宅街であり、キャットストリートの喧騒が嘘のように静かな通りである。