土俵は3日間かけて作られる
相撲にかかせない土俵。テレビ中継も含め、だれでも一度は目にしたことがあるかと思いますが、一体どのようにして作られているのでしょうか。現在の土俵の大きさは15尺(4m55cm)で、昭和6年の天覧相撲※以降この大きさに定められています。
※天皇が直接観戦される相撲、皇族の場合は台覧相撲と言います
大相撲が始まった江戸時代以降、長らくは13尺(3m94cm)でしたが、「相撲独特の瞬間的勝負の醍醐味を少しでも長く見てもらうため」に変更されたそうです。
なお、昭和20年の11月場所のみ、1度だけGHQの要請により16尺にしたことが。「相撲の勝負が速いのは土俵が狭いからだ。相撲を面白くするために土俵を大きくするように」とのお達しによるものだと言われています。
さて、この土俵を作るのは、力士を呼び上げる「呼び上げ」や太鼓叩きなど、競技の進行を行う呼出の仕事。定員45人の呼出全員で、3日間かけて作られます。
時期は本場所の5、6日前。両国国技館の場合、表面を切り崩し、土を新しいものに入れ替えて作りなおします。ちなみに、土台の中央にある白い仕切り線は、何度もエナメルを塗って書きあげられ、取り組み終了後、毎日手入れされています。
土も、なんでも良いわけではありません。以前は「荒木田」という、壁土用の粘土質の土が最適とされていました。これは東京都荒川区荒木田原(現・町屋)の荒川沿岸で採れていた土ですが、開発が進んだ現在では、千葉県我孫子市周辺のものが使われています。
両国国技館の場合、土俵の土台に使われる土は10トントラック4台分! 地方場所や1日巡業でも当然土俵を作るので、適した土探しも担当親方の大切な仕事なのです。