大型力士に挑み勝つ、並外れた闘争心
相撲は体が大きいほうが勝つスポーツで、おおかたは単にガタイの勝負じゃないかと思っていた私に体重がなくとも勝いてるんだと見せてくれたのが安馬関(のちの日馬富士)でした。単順に押し合うだけでは絶対に勝てないような相手にも、思いきりぶつかったりうまく回り込んだり、時に変化を交えながら果敢に挑み勝つその姿に何度も興奮し感動しました。
やはり彼のような小柄の力士が勝つ、のし上がっていくストーリーが相撲の面白いところじゃないでしょうか。ウルフ旋風を巻き起こした千代の富士にも通じるところと思います。
印象に残る一番
特に鮮明に記憶に残るだろう一番は大横綱と言われる白鵬を下して全勝優勝で横綱昇進を決めた2012年の秋場所千秋楽の一番です。2分弱の大一番でしたが、白鵬に対して組み合いでまったく引けをとらず、徐々に体勢を良くしてもろざしにし、何度も投げをしかけて敵をころがしました。そして勝利の余韻の中土俵に感謝をしたあの姿も印象的でした。最近の日馬富士は体つきが太くなり、取り組みもどっしりとしてきたと感じます。かつての姿とは違ってきましたがこれからも進化を見たい力士です。