「好き」という感情を掘り下げて考えて、落ち着いた行動を
初恋が5歳の頃と我ながら早熟な少女でございましたが、小学生のころはちょっとしたことで人を好きになったりしたものです。
その初恋は転入生にひとめぼれという容姿だけのものでしたので、めずらしくはない普通の話ではありましたが。
小学生になって、さらに多くの人と接するようになってからが違いました。
いつもは私の容姿をいじめてきて、あまり好きではなく関わりたくなかった男子でも、消しゴムを忘れて仕方なくお願いしてみると「いいよ」とすっと貸してくれた、ただそれだけでキュンとなったり。
別の年には、とある男子がおそらくは何の悪気もなく「なんで毛深いの?」と聞いてきたのに傷ついて泣きそうになりましたが、別の男子が「女の子にそういうこと言うもんじゃないよ」とフォローしてくれたことに感動すら覚えたり。
クラスのムードメーカーに楽しく笑わされて、「あ、私はこのひと好きかも」と思わされたり。
よく言えば「人のいいところを見つけるのが得意」なのでしょうが、それを「イコール好き」と思ってしまっていたところが問題でした。
そして自分は昔から変に行動力のあるタイプでしたので、すぐに告白もしちゃいました。
まぁ小学生の男子だとまだそういうことの心の準備も出来ていないでしょうから、結局無視されてお終いなんですよね……。
もっと「好き」という感情を掘り下げて考えて、落ち着いて行動しないといけないな、ということを痛感してからは、中学生からはそういう惚れっぽさ全開なこともなくなりました。
ただ、つまらない中学生活ではありましたが……。
この経験を経て、徐々に「あこがれ」や「感心」と「好き」の区別が出来るようになりました。そして好きだからといってもすぐに告白せず、あるいは告白しないまま心の中にとどめておくほうがいい場合があるんだな、と今では思っています。