独特な甘味が特徴のビーツ
日本や西欧ではあまり見かけませんが、中欧から東欧、ロシアの人たちは、ビーツを食材として利用しています。チェコのレストランでは必ずと言っていいほど、現地の人がビーツを食べている姿を見かけます。ビーツは、地中海沿岸地方原産のアカザ科のサトウダイコンの変種です。日本語でわかりやすく言い換えると赤カブです。輪切りにすると同心円状に赤色の輪が見られ、ショ糖が含まれているため、独特の甘味があります。
ロシア料理として最も有名な「ボルシチ」の重要な食材となっており、スープの色が赤いのは、ビーツの色素によるものと言われています。
チェコでは、皮ごとゆでて調理することが多いようですが、ピクルスにしたり、サラダに入れたりして食べられています。日本人には馴染みの薄いビーツは、スープやサラダに少し入っているのであれば、何の抵抗もなく美味しく食べることができます。
チェコを旅行して、チェコの空気と料理に慣れ始めた日に、ビーツを単品でオーダーしてみました。お皿にドッサリ盛られたビーツを見るのは初めてのことです。茹でてあるのか、酢に漬けただけのものかはわかりません。
残さずに平らげることができるかと不安になりながら、一口めを口に運びました。恐らく酢漬けでしょう。初めて体験する味覚にフォークのスピードが遅くなりました。ビールで口をゆすぎ、二口めにトライしました。
食べられない味ではないのですが、また食べたいと思えるような味ではありません。ビールグラスを片手に、半分平らげたのは初体験にしては立派と一人で胸を張ってしまいました。