ローコスト住宅/ローコスト住宅の基礎知識

「フラット35S」向くのはこんな人(3)

「フラット35S」とは、「フラット35」を申込む施主が、省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅を取得される場合に、「フラット35」の借入金利を一定期間(5-10年)引き下げる制度で、総返済額を軽減できるメリットが大きく是非検討したい制度です。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

「フラット35S」とは、「フラット35」を申込む施主が、省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅を取得する場合に、「フラット35」の借入金利を金利Aタイプで当初10年間、金利Bタイプで当初5年間、年0.3%引き下げる制度で、総返済額を軽減できるメリットのある制度です。

3000万借入で50-100万円近くお得に

マネー

同じ借入金額でも利用ローンで100万円違ってくると大きい

住宅金融支援機構によると、フラット35の申込者の9割は、フラット35Sの条件もクリアできる高性能住宅を建てているとのこと。当初一定期間の金利を0.3%(現行)下がるだけでも総返済額をかなり圧縮することができるため、フラット35を利用検討する場合はぜひとも「S」を利用できないか検討してみる価値はあります。

【メリット】
住宅金支援寄稿の試算例によると、借入額3,000万円、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、借入金利年1.89%、フラット35(買取型) の場合、
フラット35S金利Aプラン→ 「フラット35」より約90万円お得
フラット35S金利Bプラン→ 「フラット35」より約48万円お得
になります。

同じ借入額と借入期間でも約100万円近い差、しかも金利AとBでは倍近く違ってくるのは驚きですね。100万円があれば子どもの教育資金に回せると考えれば大きいものです。

さて、ではこうしたオトクなローンが受けられる条件ですが、正直言ってこれを完全に理解するのはなかなか大変です。できるだけ分かりやすく解説しましょう。

【金利Aプランを受けるための条件】
次の(1)から(5)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。
≪省エネルギー性≫
(1)「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づく「住宅事業建築主の判断の基準(通称トップランナー基準)」に適合する住宅(一戸建てに限る。)
(2) 認定低炭素住宅(平成24年12月より追加)
≪耐久性・可変性≫
(3) 長期優良住宅*1
≪耐震性≫
(4) 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
≪バリアフリー性≫
(5) 高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可)

これらからまず言えることは、自動横滑り的にフラット35Sも受けられるのは、(3)の、「長期優良住宅が受けられる人」が分かりやすいですが、そのほかの方でも、いずれか1つ以上満たせばいいわけですので、「耐震等級3」または「バリアフリー4」以上を満たしている人も、自動的にフラット35Sを使えることになります。

さて一番の難関の壁は、省エネ性能部分。次ページでどんな人なら受けられるか説明します。
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