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石川尚のファニチャーワ-ルド的この店この逸品 倉俣さんのFlower Vase #2

イス、テーブル・・だけではなく生活空間をとりまく全てのモノがファニチャーという視点からデザインと人の生活を考える。今回はクラマタ的Flower Vase(花瓶)・・美しい逸品デス!

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

Flower Vase#2 1989 倉俣さんの一輪挿し(アクリルの世界)






時間と空間を瞬時に封印したカタチがある。


Flower Vase#2

Flower Vaseの商品解説によると「音色」という言葉の透明な音の世界に色を感じて生まれたという。

倉俣史朗さんのアクリル製花瓶・・・・およそ110×110×190mm直方体の大きさ、いや小ささの中に「空間」がある。その空間も無機質で冷たい光を放つっている。妖しく、物悲しいが、なにか女性が変化する瞬間のようなエロチィクな感じがたまらない。

一輪挿しや生け花は自然の草花を切り取って生活空間の中に生ける、言わば『自然界の見立て』である。それは見る角度や感度によって日々の生活の中でホッとしたり、ピリっとするように安堵感と緊張感が混在する。ある時は客に対するもてなしであり、安らぎをめでるものである。「音色」という言葉の透明な音の世界に色を感じて生まれたそれらは最小限の要素で成り立っているカタチ・・・・日本の文化のひとつである。


Flower Vase#2

透明なアクリルの中にある妖しい色が、空間のひろがりへと導いていく・・・つまり、色に奥行きを与えているのである。

この倉俣さんの『小さなカタチ』いやカタマリは、人の想像力をかきたて無限の広がり・想い・を感じる逸品である。
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