不動産査定・土地査定/土地査定・不動産査定の基礎知識

不動産売却「一括査定」の仕組みと使い方(2ページ目)

不動産売却の前に避けて通れないのが「査定をすること」です。最近は、ウェブサイトを通じ複数の不動産会社に同時に査定を依頼することができます。「一括査定」と呼ばれるこの仕組みとメリット・デメリットについて、さらに「よりよい使い方」について伝授します。

風戸 裕樹

執筆者:風戸 裕樹

不動産売却・査定ガイド


「一括査定」の上手な使い方

「一括査定」を依頼すると会社毎に査定価格が異なることがわかるとともに、売れる価格の目処をつけることができます。その後、依頼した会社の多くは訪問査定を希望してきます。実際、机上での査定と訪問してからの査定は異なり、お部屋の状態や眺望など、見なくてはわからないことが多数あるからです。不動産会社の担当もお部屋を見ないままで売れる価格を断言するのには抵抗があります。

「一括査定」で売れる価格の目処を理解した後は、正確な価格を知るために訪問査定を依頼しましょう。その際、全ての会社に訪問査定をしてもらうと、スケジュールを合わせるだけでも非常に時間がかかります。そのため、「一括査定」の結果、依頼した後の対応、査定内容の根拠などから信頼ができそうな会社を3社~5社程度まで絞り込むのが良いでしょう。

「一括査定」で大事なことは、不動産会社毎の査定価格を知ることよりも、それぞれの特色を知ることにあります。不動産会社各社は、短時間の中でお部屋を見ずに査定価格を算出しています。価格だけではなく、具体的な売却の提案に関して営業担当のスキルが問われています。そのため「一括査定」は、査定価格を比較するだけではなく、担当者のスキルや、会社のスタンス・特色について知る機会と心得ましょう。

気をつけて欲しいのは、「一括査定」後に、最初に査定価格を提示してきた、もしくは電話等で連絡をしてきた不動産会社に訪問査定を依頼し、他と比較することなく媒介契約を締結しないことです。これでは多数の会社に一括査定をしている意味が無くなってしまいます。

また一括査定のサイトによっては、匿名で査定ができるサイトもあります。匿名で依頼することのメリットは、直接不動産会社から連絡がくることがないということです。ただ単に価格を知りたいだけとか、しつこい営業を受けたくない場合には適しています。

「一括査定」は査定価格を知る上で非常に便利なサービスです。ただ、査定価格の高い会社や低い会社を選別するためではなく、どのように査定価格を出したのかを比較しましょう。そして、売却を依頼する不動産会社を選ぶ上で会社や担当者の特色を知るために依頼しましょう。

「一括査定」で不足する部分も補いながら売却を依頼する不動産会社を選ぶ必要があるということを知った上で、上手に活用して頂きたいと思います。
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