倒産の前兆は現場に現れる

倒産の危険信号を見逃していませんか?

倒産の危険信号を見逃していませんか?

株式会社をはじめとする企業の倒産には販売不振、放漫経営、連鎖倒産、過大な設備投資などの様々な要因がありますが、昨今は販売不振などの不況型倒産が多くを占めています。

中小企業ではIR情報を殆ど公表していないので、倒産の前兆を現場でキャッチすることが重要ですし、それが可能なことも少なくありません。倒産した会社の配当(返済)率は、再建型の民事再生手続でもそれ程高くはないのが現状ですから、常日頃から次のような倒産の前兆を見逃すことがないようアンテナを張っておきましょう。

「ヒト」に見る倒産の前兆

1.重要な役員や経営幹部の突然の退職、交替

会社の経営状況を最も把握しているのは役員や経営幹部です。役員や経営幹部は、相応の報酬や給与を会社から受け取っているはずですし、会社への忠誠心や愛社精神も一般の従業員に比べると高いはずです。にもかかわらず、突然、社長の右腕となっていた役員や経営幹部が、理由もなく退職や交替をするというのは異常な事態です。重要なポストの役職員が複数名退職するような場合は、かなり危険な兆候です。

新しい役員が選任されたからといって決して安心ではありません。スポンサーと称して、会社の乗っ取りを企む事件屋もいますので、生え抜きではない人物が突然、役員や経営幹部に就任したような場合には、前任者の退職理由や後任者の素性などを調査するようにしましょう。

2.社長や経理担当役職員が不在がち

資金繰りの悪化した会社の社長がまず採る行動は、複数の金融機関等への融資の依頼ですから、普段は連絡が取れる社長や経理担当役職員が、繁忙期でもないのに日中不在がちとなったり、連絡が取りづらくなったときには注意が必要です。

3.従業員のモチベーションやモラルの低下

会社によって差はあるものの、経費のうちで人件費の占める割合は低くありません。倒産に至るような会社では、それまでに残業代や賞与のカットがなされていることは多く、希望退職の募集等のリストラ策がなされていることもあります。

これが倒産の直前期になると、毎月の給料の支払いも遅れがちとなります。従業員にも自分の生活がありますから、転職を考えて日常業務に身が入らなくなる、上司から指示されたこと以外の仕事をしなくなる等のモチベーションやモラルの低下につながりがちです。また、経営陣も目先の資金繰りに追われ、従業員への指導監督が行き届かなくなるため、社内の規律は乱れ、雰囲気も暗くなりがちです。