カーペット・絨毯・ラグ/カーペット・絨毯・ラグの選び方・お手入れ方法

カーペット選びのポイント(工法編)(2ページ目)

カーペットを選ぶとき、皆さんは何を基準に選ばれるでしょうか? 色、肌触り、大きさ、値段……。もちろん見た目も大切ですが、今回はカーペットのつくりかた、それぞれの特徴についてご紹介します。ものづくりを知り、特徴を知ることで、自分のライフスタイルにあったカーペットを選ぶことができますよ!

堀田 将矢

執筆者:堀田 将矢

カーペット・絨毯ガイド

カーペット工法別の特徴

■織物
1枚買ったら一生もの。手織りのカーペットは紀元前から続いています。現存する世界最古のカーペットは紀元前400年ごろのものだとされ、現在でもエルミタージュ美術館に貯蔵されています。また、正倉院展などで出てくるファブリックも「織物」です。使い込むごとに味が出てくるのが、織物カーペットです。「手織り」は非常に高価なものが多いですが、「機械織り」ですと比較的お買い求めになりやすい価格帯で販売されているものもあります。

前のページでご紹介したように、織物は縦糸、横糸(緯糸)を織り込んでいくので、耐久性に優れています。また、樹脂などで固めているわけではありませんので、使っているうちに樹脂が劣化し、粉状になって舞い上がり、吸い込んでしまう、といった心配もありません。健康にも優れていると思います。

こういった特徴から、非常に耐久性が必要なホテルの宴会場や、廊下、ブランドショップの床、住宅に使われることが多いです。

■刺繍
「カーペットは高級品」であったため、なかなか一般の市民が購入することが難しかった時代があります。それを打ち破ったのがタフテッドカーペットです。「タフテッド」という工法が開発されたことによって、カーペットが大衆に認知されるようになりました。

タフッテドは主にオフィスなどに敷かれているタイルカーペットに使われています。ホテルの客室などの軽歩行部分にも使われています。

タフテッドは、大量につくることでお買い求めやすい価格で販売されており、出来るだけ予算をおさえたい、最低限のカーペットの機能があれば良い場所には、最適な工法だといえます。

一方ハンドタフテッドは、1枚ずつ生産が可能で、手織りよりも安い、という特徴があり、特注で1枚だけつくりたいときに最適な工法です。

住宅に敷き込むカーペットには「織物」の「ウール」を

私は、住宅に敷き込むカーペットをお探しの方には、「織物」カーペットをおすすめしています。そもそも「織物」で使われている素材は、「ウール」が多く、住宅には適しています(以前の記事をご参照ください)。

カーペットを一度敷き込み、生活がはじまると、敷きかえることはなかなか大変です。家具を移動し、敷いてあるカーペットを剥がし、新しいカーペットを敷き、また家具をもとどおりに戻す。広さにもよりますが、おおよそ2日間、費用もそれなりにかかります。そのため、できるだけ敷きかえの回数は少ない方が良いと思います。

織物カーペットは刺繍カーペットに比べて初期費用はかかってしまいますが、長持ちするため、最終的には費用がおさえられると思います。ホテルの場合、織物カーペットは10年~15年程度は使っていますが、刺繍カーペットは7年~10年程度で敷きかえられています。住宅ですと、僕の家は織物カーペットを敷いていて、20年敷きかえていない部屋もあります。

織物の特徴は、耐久性があること、健康のためにも適していることです。
住宅の敷き込みカーペットをご検討の場合は、「織物」カーペットをおすすめします。

また、季節ごとにエリアラグを敷きかえて、インテリアの変化を楽しみたい方には、お買い求めになりやすい価格の「刺繍(タフテッド)」カーペットもいいでしょう。

最後に、これは参考ですが、フローリングですと種類にもよりますが、張り替えには1週間程度はかかります。そもそも張り替えができなくて、上から重ねてはってしまうことも多いといいます。重ねてはってしまった場合、段差ができてしまい、バリアフリー住宅は台無しです。

カーペットを選ばれるとき、本当にたくさんの種類があって何が良いのかわからない、という方は多いのではないかと思います。「色」や「柄」については、ショップ店員さんや、インテリアコーディネーターさん、工務店さんにプロがいるかもしれませんが、なかなか「素材」や「ものづくりの方法」まではご存知ないことが多いと思います。

大切な住まいの一部となるカーペット、ぜひとも今回の記事も参考にしていただきながら、自分に最適なカーペットを選んでいただけたらと思います。

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