「カーペット」というのはいわゆる「敷物」の総称。その中の「織物でつくられたカーペット」を「じゅうたん」。「手で『織られた』カーペット」を「緞通」と呼びます。
一言で「カーペット」といっても、いろいろな種類があって、それぞれ使い方も変わってきます。「色」や「サイズ」ももちろん大切なポイントですが、「素材」、「敷き方」、「種類」など様々なポイントがあります。
以前の記事で「素材」についてご紹介しましたので、今回は「つくりかた(種類)」をご紹介します。カーペットを選ぶ際に参考にしていただければと思います。
織物と刺繍
カーペットには大きく分けて、「織物」と「刺繍」という2つのものづくりの方法があります。「織物」は縦糸と横糸(緯糸)を織り上げる製法で、日本昔話のおばあちゃんが「かちゃん、かちゃん」と織っているのが一番わかりやすいでしょうか。木材でいうと、「無垢材」といえます。
「刺繍」は布の上に、田植えのように糸を突き刺していく製法で、そのままでは糸が抜けてしまうので、樹脂でもう一枚布を貼り合わせてカーペットにします。木材でいうと、「合板材」といえます。
「織物」「刺繍」には、それぞれ「手作業」と「機械」があります。
■織物
【機械】……「ウィルトン」や「アキスミンスター」といった種類の機械があり、主に5つ星ホテルなどの宴会場(比較的歩行頻度が激しい場所)、住宅敷き込み用に使われています。
【手作業】……ペルシャ絨毯、ギャッベ、キリム、日本では鍋島緞通や堺緞通などの種類があり、主に毛足が短い柄物のエリアラグや、玄関マットなどに使われています。
■刺繍
【機械】……「タフテッド」と呼ばれる工法で、主にオフィスなどのタイルカーペットや、ホテルの客室(歩行頻度が比較的激しくない場所)などに使われています。
【手作業】……「ハンドタフテッド」と呼ばれる工法で、主にエリアラグの毛足の長い、無地調のものに使われています。
どの工法が良い、悪いということではありません。それぞれに特徴があるので、次のページではそれぞれの工法の特徴をご紹介します! カーペット選びの参考にしてください。