ランドローバー/ランドローバー

“金持ちケンカせず”余裕が魅力のレンジローバー

4世代目に進化したプレミアムSUVの王様は、オールアルミモノコックボディにより大幅な軽量化を実現。その成果は動き始めてすぐに実感できます。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

オールアルミモノコックボディで大幅な軽量化

レンジローバー

NA(自然吸気)エンジンを搭載した5.0V8ヴォーグ(1230万円)、スーパーチャージドの5.0V8スーパーチャージド ヴォーグ(1490万円)とオートバオグラフィー(1670万円)をラインナップ

軽量化こそ、自動車開発における最大の命題。少しでも軽く作ることが、環境性能と絶対性能をともに引き上げること=両立に繋がる。だから、こんどのレンジローバーが、実に200kg近いダイエットに成功したとはじめて聞いたとき、これは実際に乗るのが楽しみだ、と思ったものだった。背の高いクルマには日頃まるで興味がないにも関わらず……。

そもそも2トンを超える巨体である。冷静に考えれば、200kgといってもたかが一割、なわけだけれど、まわりの大型クロスオーバーSUVの車重をみても判るとおり、重くなるにはそれなりの理由があってそうなったわけで、肉体改造の難しさは、80kgのわが身と同じ、であろう。
レンジローバー

ボディサイズは全長5005mm×全幅1985mm×全高1865mm。オールアルミ製モノコックボディは従来のスチールと比べ、シェルだけで約180kgの軽量化を実現。NAモデルでは旧型比で190kgの軽量化を果たしている

レンジローバーは、いかにして体重を減らしたのか。最大の功労者は、アルミニウムだ。クロスオーバーSUVで世界初となる、オールアルミモノコックボディを採用した。モノコック単体では、格下のアウディQ5やBMW X3のそれよりも軽いという。

肉体改造に成功した新型は、しかし、威風堂々たる、いかにもレンジローバーらしいスタイリングに進化した。短いフロントオーバーハングに、切れ上がったリアハング、両端をつまみあげた眩むシェルボンネットや、特徴的なフローティングルーフ、といったレンジローバー伝統の世界観を随所に散りばめつつ、空力改善にも積極的に取り組むなど、モダンに磨きあげたのだ。

インテリアにも、伝統と先端技術の融合がみえる。ウッドとアルミ、そしてレザーハイドといったマテリアルの組み合わせやそのデザインは正しく“ラグジュアリィ”のひと言だが、機能装備や各種ディスプレイ、オーディオなど、その構成要素は最新レベルにアップデートされている。
レンジローバー

スイッチ類を従来より減らし配置をシンプルに。パークアシストなど運転支援装備も充実させた

なかでも注目すべきは、シャシー制御システムの数々だ。レンジローバーといえばエアサスペンションだが、4輪クロスリンク方式の第5世代へと進化をはたしたし、4WD制御もオート機能をメインとしたテレインレスポンス2オートへと発展した。そのほか、最新モデルらしく様々なドライバーアシスト機能も装備する。
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