債券の売却益は非課税から課税扱いに変わる

公社債の売却益が課税扱いに

公社債の売却益が課税扱いに

2014年4月に消費税の引き上げが予定されていることから、2013年度(平成25年度)の税制改正大綱では、消費税の引き上げにより景気が後退しないような配慮がなされています。また、昨年の消費税引き上げ法案とセットで決められるはずであった相続・贈与税の見直し、2013年末で切れる住宅ローン減税に関する報道(取り上げられる)が多かったことなどは致し方ない面があるのでしょう。

これらは専門家の説明に委ねるとして、個人の資産運用、中でも課税関係が大幅に変更なる国債や社債などの債券に関する課税関係に注目することにしましょう。 大多数の方々の債券投資と言えば、定期的に利子収入を受け取りながら購入した債券を満期償還時まで保有する定期預金と同様の扱いだと思われます。

個人向け国債に関しては、このような投資スタイルしか出来ませんが、その他の債券であれば、その時々の価格で市場で売却して売却益を狙うことも可能となっています。債券の価格は、金利が低下すれば価格上昇、金利が上昇すれば価格下落と説明されているのは、少ないながらも市場で債券を売買する投資家が存在するからです。

少ないからとも言えるのかも知れませんが、債券を満期償還前に売却した場合の売却益はいくら儲けても非課税でした。反面、売却益が非課税であることから、売却損を被ったとしても他の利益と損益通算をすることは認められていませんでした。この売却益に関する課税の取り扱いが、2016年(平成28年)1月1日以降に非課税から課税扱いになる、反面売却損は損益通算可能という取り扱いに変
更される予定なのです。


ちなみに、定期的に受け取ることが出来る利子に関しては、預貯金と同じく利子が支払われる際に20%(2013年からは20.315%)の税金が現在は源泉徴収されることになっています。この利子に対する課税は、源泉分離課税から申告分離課税に変更される予定です。もう少し詳細に見て行くことにしましょう。

債券の課税関係は上場株式等と同様の扱いになる

国債、社債などの債券からの収益は、定期的に支払われる利子、売却益、満期償還時に発生する償還差益があります。これらすべて収益に対する課税の扱いが2016年1月1日以降に変更になるわけですが、まずは利子の取り扱いから見て行くことにしましょう。

現在、債券から発生する利子に対する課税は、預金・貯金と同じく20.315%の源泉分離課税で課税関係は終了することになります。また、他の金融商品で被った損失と通算することはできません。


課税関係が改正された暁には、利子に対する課税は源泉分離課税から申告分離課税に変更になります。課税方法は変更になりますが、税率は20.315%で源泉分離課税の時と変わることはありません。申告分離課税と上場株式等と同じ扱いになりますので、株式投資などで損失を被っている場合は、その損失と債券から得られた利子を通算することが可能になります。

実際には、上場株式の配当金や株式投資信託の分配金と同じく、利子が支払われる時に税金が差し引かれ、残りの金額を受け取ることになります。上場株式等の売却損と通算する必要がなければ、これで課税関係は終了(今までと変化なし)になります。

一方、売却益に関しては、これまで非課税だったものが申告分離課税の課税扱いになります。税率は利子と同じく20.315%になり、上場株式等の売却損などとの損益通算ができるようになります。また、債券投資しか行っていなく、年間の収益がマイナスだった場合は、翌年以降最長3年間の繰り越し控除ができるようになります。つまり、2016年1月1日以降の債券の売却益の扱いは非課税から課税扱いになり、またその取り扱いは上場株式等と同じになるというわけです。

最後に償還差益に関しては、これまで雑所得で総合課税扱いだったものが、譲渡所得(売却益)などにかかる収益とみなされ、申告分離課税扱い(税率は売却益と同じ)になります。償還差益は上場株式等の売却損と通算することができ、償還差損は上場株式等の売却益と通算することが可能です。まとめれば、債券の売却損益と同じ扱いというわけです。

2016年1月1日から債券の課税関係はやや複雑になりますが、金融所得一体課税を進めるための改正です。税率は上場株式等と同一、申告分離課税という扱いも同じであることから、2016年1月1日以降、債券を特定口座に入れることが出来るようになる予定です。
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