災害時の移動手段はどうすればいい?
東日本大震災の余震が今だに続く現在、日本列島はすでに長期の地震活動期に入っていることが明らかになっています。この先数十年内に、また大規模な地震が、列島付近で数度発生することが確実と言われる中で、自分の住む地域が「安全でない」状況になることも考えられます。太平洋沿岸部などでの「津波」発生時に限らず「大規模火災」「原発事故」など、より大きな災害が発生すれば、その地を一刻も早く離れないと被災を免れない可能性もあります。そんな時、どのような方法で安全な地域に移動するか、車、自転車、バイクなどそれぞれのメリット、デメリットを考えてみましょう。家族での長距離避難には
「長距離の避難」が必要になり、家族同居であれば自家用車での避難を真っ先に思いうかべるもの。避難用の物資も運べる上に、最低4人から5人同時に移動できるメリットがあります。ただし、都市部などでは鉄道などの交通インフラが長時間停止すると、すぐに大渋滞が発生します。道に人があふれ、車での移動は極めて困難になります。3.11の時は首都圏の一部の道路では10時間以上も麻痺した状態が続きました。同じような状況は阪神淡路大震災の時にも発生し、消防車や救急車などの緊急自動車などが通れずに被害が拡大しました。特に都市部においては、災害発生直後から周辺地域から、都市部にいる家族への「迎え」の車が大量に流入する傾向があります。そのため各自治体は「災害直後の車での移動」を基本的に自重するように指導しています。実際に、大災害発生時には首都圏では主要幹線道路を封鎖するなど、通行止めも行われますので、交通状況を十分に把握しないと、道路に「閉じ込め」られ動けなくなってしまうリスクを考えましょう。
いったん地域の安全が確保され、それでも移動しなければならない場合、どんな車が便利なのでしょうか。避難所が必ずしも利用できるとは限りませんし、快適に過ごせることはほとんどありません。ペットも避難させたいとなれば、やはりセダンタイプのものよりもワンボックス、ワゴンタイプなどの車の方が簡易の避難所として利用しやすいと言えます。新潟・中越地震の時は長く余震が続いたために、多くの人がワンボックスカーを求め、周辺の中古車がなくなりました。また、そんな状況に備えて、トランクにアウトドアグッズや避難グッズなどを常備しておけばより安心です。さらに普段からガソリンは常に満タンにするようにして、空に近い状態を避けるような習慣をつけておくことも必要と思います。自転車、バイク、それぞれのメリット
東日本大震災の発生した日、都内の自転車屋さんから買い物自転車が「消えた」のは良く知られています。外出先で電車が止まってしまい、交通手段がない、歩いて帰るには遠すぎる、そんな時に自転車は強い味方になります。徒歩と比較すると5倍から10倍もの距離を移動できる機動力を持つ自転車は、避難時にも、避難所での生活にも欠かせません。災害時にはタイヤの細いスポーツタイプのものよりも、荷物が多く積載できる「ママチャリ」が便利です。最近では道路のガレキなどに強い「ノーパンクタイヤ」のものも発売されていますし、ポリタンクを積めるもの、充電器が付く多機能なものなどもあります。
【写真】「リキシャタンク」