カーペットはホコリが舞う&アレルギーの原因という不潔なイメージ?
カーペットのイメージは良い? 悪い?
では、悪いイメージはどうでしょうか? 「ダニが……」「アレルギーが……」「掃除が……」「子供が……」こんな感じではないでしょうか。
この、「ダニが……」「アレルギーが……」というイメージは、カーペット業界に大きなダメージを与えました。その影響もあって、1993年には、新築住宅の床面積のうち20%程度はカーペットだったのですが、2005年には、わずか0.2%になってしまいました(矢野経済研究所「床材市場動向最新調査結果 2006」調べ)。
カーペットよりもホコリが舞いやすいのは床材フローリング
お部屋の端っこにホコリが……
ちょっと想像してみてください。「いつもドアの後ろを除くとホコリっぽいなあ……」「掃除したばっかりなのに黒の本棚の上にホコリがたまってるなあ……」「ピアノの上はホコリが目立って嫌だなあ……」「ベッドの下なんてのぞくのが怖い……」、ちょうどこんな感じの経験が、一度はあると思います。では、それはなぜでしょうか?
フローリングをはじめとする堅い床材は、ホコリが舞い上がりやすい素材です。一度舞い上がったホコリは、9時間かけてゆっくりと床に降り注いできます。つまり、皆さんが目にするホコリは、勝手に生まれてきたわけではなく、空気中に浮遊しているホコリが静かな場所に降りてきたものです。
舞い上がったホコリが一番たまりやすいところが、床上30cmの空間と言われています。床上30cmの空間では、赤ちゃんがハイハイしたり、かわいいわんちゃんねこちゃんが歩いたりしています。想像するだけで、ぞっとしませんか?
床上30cmのホコリの話はけっこう有名で、掃除機のヘッドの上の部分にそのホコリを吸い込むようなものも販売されていますし、空気清浄機の宣伝で床上30cmのホコリの話が取り上げられることもあります。
<参考>
パナソニックの空気清浄機紹介ページ
ホコリ対策にカーペットが役に立つ!?
では、カーペットではどうでしょうか? カーペットは、毛が生えているので、ホコリをしっかり床に吸着してくれるという特徴があります。カーペット工業組合も、空気中のホコリの量についての計測データを出しています。そのデータによると、フローリングの空間は、カーペットによりもあきらかに多く、ホコリが空気中に浮遊しているそうです。
<日本カーペット工業組合「ハウスダスト舞い上がり抑制効果」に関する実験(2013)>
歩行を想定(軽量床衝撃音発生器で床を叩く)したハウスダストの舞い上がり量を、カーペットとフローリングで比較。カーペットでの舞い上がり量はフローリングの10分の1だったという結果に。瞬間的には最大20分の1という結果も。
またアレルギーは、ホコリ(ハウスダスト)を吸い込むことで起こりうる、という説もあります。前述したように、日本の新築住宅の床におけるカーペットの面積はわずか0.2%まで減少していますが、一方、アレルギーの患者数は右肩上がりです(厚生労働省「アレルギー疾患の現状等」2016年2月3日調べ)(このデータをどのように考えるかというのは、議論があるところです)。
ただ、スウェーデンの一部では、小学校の床にカーペットを敷く動きも出てきているそうです。カーペットのイメージ、少しは変わったでしょうか?
カーペットの正しい知識を知ろう!
とはいいつつ、じゃあ床にたまったホコリはどうすんのよ!? という声が聞こえてきそうですので、次回はそのへんをご紹介させていただければと思います。皆さんに少しでもカーペットの正しい知識を知っていただき、豊かな生活を送っていただけることを心から祈っております。ちなみに僕の家は、家中カーペット敷きです!(カーペット屋さんだからあたり前ですが……)今では少なくなってしまいましたが、僕はカーペットの生活が大好きです!
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